東電福島原発の汚染水、トリチウムその他の放射性物質を放出することを「広報」するために、復興庁はゆるキャラをつくった。
そのゆるキャラに関する費用、約3億円。契約先は、あの電通である。
「トリチウム」がゆるキャラに? 復興庁「親しみやすいように」原発汚染処理水の安全PR
新自由主義という資本主義が、人間の利己的性格をより強化することによって、格差は拡大し、貧困は増大し、環境が破壊されている。あくなきカネの追求により、世界各地で「開発」がすすみ、未知の生物、それはウィルスでもあるが、それらと遭遇し、人間世界は大きな試練に際会している。
『科学』2月号(岩波書店)を読んでいたら、「群個体協調脳機能」ということばを発見した。大橋力氏の「利他の惑星・地球」という連載にそのことばはあった。
茨城県旧高岡村では、みごとに水田の水分配がうまく運営されている。
水田には水を引き入れ、その水を排出することが求められる。ふつう、人々は自分自身の田の稲の生長具合をみながら水を調節する。水を入れるためには、農業用水をなんらかの手段で堰き止め、そこから水田に水が入るようにする。私の住むところでは、それぞれの水田の管理者(所有者)がそれぞれ勝手にやっている。
ところが、旧高岡村では、「すべての村人が自分が思うとき思うままに「留」を操作する。操作対象となる「留」は、自分の水田に限らず、他人の田の「留」を含む村中のすべての「留」」である。「留」とは農業用水を堰き止め、水位を高くして水田に水を引く際に利用されるものである。
ここでは自分自身の水田の水の管理ではなく、村全体の水田の水の制御が村人ぜんたいで行われているのである。「私」が消え、村内の「群れ」としての農業者が共同で稲作を制御しているのである。それを大橋氏は、「群個体協調脳機能」と呼んでいる。そしてそれは「縄文的位相」であるというのである。
そのような「縄文的位相」こそが今求められているように思う。
『科学』という雑誌は面白い。他に雑誌を多く購読しているので図書館から借りて読んでいるが、毎号興味深い記事が並んでいる。
福島第一原発の事故により、大量の汚染水が貯められている。政府や東電は、それを太平洋に排出しようとしている。その理由は、世界中の原発からすでに大量のトリチウムが排出されているから、というものだ。
しかし以前このブログでも紹介したが、トリチウムはDNAを破壊する代物だ。私は今まで汚染水排出問題が報じられるまで、トリチウムを世界中の原発が排出していることを知らなかった。
うすめるからいいだろうというのは愚である。水俣病の例を見てもわかるように、そうしたものは生体濃縮され、再び人間の生活の中に回帰してくるのだ。
そうしたことを考えると、原子力エネルギーというのは、もともと利用してはならないものであった。人間が開発した原子力は、地球上のすべての生物に影響を与えていることだろう。
私はそんなに遠くない時期に、人類は滅亡すると思っている。人類は、こんなにも地球環境を破壊し、原子力エネルギーにより数十万年も「毒」を出し続ける物質をつくりだしてしまった。
『世界』5月号は、特集の1が「人新世とグローバル・コモンズ」である。地球環境の問題に眼を向けないと、人類の滅亡は早まるはずである。