浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「連合」の立ち位置

2022-02-18 09:39:06 | 社会

 私はこういう記事を読んでも全く異和感を持たない。なぜなら連合の成立それ自体が、旧民社党・同盟の主導権によって結成されてきたからだ。旧民社党・同盟の基本原則は「反共」である。「反共」のためには、支配層と手を組み、同盟系労組は経営者とタッグを組んで「健全なる労働組合」(憲法28条や労働組合法が想定していない組合の在り方)をつくってきた。

 労働組合の組織率が低くなっているのはあたりまえで、組合は会社とは別の労働者監視組織と化しているからだ。

 連合は、今や自民党と手を組もうとしているのだろう。国民民主党もその方向に向かい、そのあとから立憲民主党もついていくことだろう。かくて、21世紀版大日本産業報国会ができあがり、そのあと大政翼賛会がつくられ、ふたたび日本を破滅に導いていく。

 日本人は、まことに歴史から学ばない。

連合、参院選で異例の対応 基本方針で支援政党を明記せず…立民・国民とは「連携」

【追記】自民党組織運動本部長と連合会長が極秘会談をしたという。私は、芳野会長はいずれ自民党の全国区から参院選に立候補するのではないかと推測する。

 

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日本の現状

2022-02-18 09:32:21 | 社会

 日本の選挙民が、支配層の思わくを忖度して行動している結果がこれだ。日本は先進国ぶっているけど、実際はそうではない。

 日本の支配層は、日本の舵取りをする資格のない輩が集い、人々は利権にしがみついている。しかし、アベノミクスなどわけのわからん経済政策が日本の国際的地位の低下を招いてきたことは確実である。利権にしがみついていても、その利権がいずれ痩せ細っていくことだろう。すでに労働者の賃金は一貫して下がり続けている。それでも怒らない。よくなるわけないよ。 

円の実力、50年ぶり低水準 購買力が低下、家計に逆風

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なぜなのか。

2022-02-18 08:48:18 | その他

 柳美里さんの『国家への道順』を読んでいる。彼女は、小学校の頃、壮絶なイジメに遭っていた。彼女は「バイキン」と呼ばれていたという。在日コリアンという出自が原因だったのだろうか。

 私には、在日コリアンの友人がいるが、そのなかに中学校の時のクラスメートO君がいる。母親から、彼が在日であることを知らされたが、そんなことには一切かまうことなく、友人のまま現在に至っている。彼が在日であることについて本人から聞いたこともなく、私のクラスメートはおそらく知っているのだろうが、それを口に出したことはない。ふつうにつきあっている。在日だから差別するという感覚が分からない。

 日本にコリアンがたくさん住んでいるのは当たり前だ。大日本帝国は朝鮮半島を植民地支配に置き、いじめ抜いた。いじめられるなかで、生きていくために日本や中国に移動していき、そこで生活を営むようになったのだ。大日本帝国下の朝鮮人に対する政策を縷々書きつけるつもりはないが、支配層は徹底的に差別的であった。だからといって、庶民が差別する理由はない。

 芥川龍之介の作品に「「猿蟹合戦」がある。これは一般的な「猿蟹合戦」の後日談を描いたものだ。仇を討った蟹はなんと死刑とされた。猿がいわゆる「一級市民」であったからで、芥川は、「兎に角猿と戦つたが最後、蟹は必天下の為に殺されることだけは事実である。語を天下の読者に寄す。君だちも大抵蟹なんですよ。」と記している。

 柳美里さんを差別する者、そして在日コリアンらに最大限の悪罵を投げつける者たちの品性を疑う。

 この本で、柳美里さんは在日コリアンであることを堂々と提示している。それは当然のことなのであるが、みずからの出自を自由に語れないことがあるのなら、そういう社会の在り方が問われなければならない。

 そんなに厚い本ではなく、エッセイ集というものなので、読みやすい。

 

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