都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「アートフェア東京2007」 東京国際フォーラム
東京国際フォーラム・展示ホール(千代田区丸の内3-5-1)
「アートフェア東京2007」
4/10-12
日本最大のアートの見本市、「アートフェア東京2007」へ行ってきました。2005年の初回に引き続いての二度目の開催です。
会場には、主に在京の画廊、約100軒近くの展示ブースがひしめき合っていました。取り扱いジャンルはコンテンポラリーが目立つものの、古美術や近代洋画などもあり、実に多様です。○×百万円する楽茶碗より、これまた百万以上の値の付いていたリヒターの絵画、さらにはブース内にて公開制作中でもあった名和晃平のオブジェから、一点5万円ほどの若手作家の絵画まで、価格帯も作品も非常に幅広く揃っていました。なかなかこれほど多くの作品の並ぶ中で、魅力ある未知の作家を発見するのは難しい作業ではありますが、買うという視点を前提にアートを見るのも新鮮な感覚だと思います。
せっかく出向きながら、ただウロウロとするだけでは勿体ないので、ちょうど私が入場した頃に始まったガイドツアーに参加しました。(「WHY NOT LIVE for ART ?」18時より。)ガイドを務めたのは、オペラシティアートギャラリーの学芸員を務める飯田志保子氏で、その引率の元、数名の参加者とともに現代美術を扱ういくつかの画廊を見て廻ります。内容はどちらかといえば、「アートをどう買うか。」よりも「どう見るか。」という、やや美術館サイドの視線に立ったものでしたが、画廊での作品の基本的な「見方」(プライスカード云々など。)の説明を聞き、また他の参加者と「この作品を家のどこに置くか。」などと話し合う間に、所定の1時間がすぐに過ぎてしまいました。ちなみにこのツアーはお土産付きです。オペラシティアートギャラリーのチケットをいただきました。
「ラウンジ・トーク 現代アートを買うために」(柏をたのしむ@水上デザインオフィス)
*プレイベントへ行かれたmizdesignさんのブログです。ラウンジトークの詳細なレポートが掲載されています。必見です。
「アートフェア」自体はまだ二回目です。現状では毎年の開催を目指しながら、まずは一定の認知度を高めていく段階なのかもしれません。ただ率直に申し上げると、イベントとして見るなら規模、もしくは内容の面白さに欠け、また「見本市」としての成功(売上げなど。)を追求するなら、取り扱い作品、特に価格帯が中途半端であるような印象も受けました。(おそらく、もっと「大家」の、またより「高い」作品を望む方もいらっしゃるのではないでしょうか。)今回はトークシリーズや私の参加したツアーなど、一定のイベント色があったのは事実ですが、残念ながら土・日の開催はなく、立地に優れた会場を用いながらも外から集客する工夫が全くと言って良いほど為されていません。また逆に「見本市」として価値を高めるには、もっとジャンルを整理しながら専門性を強めることも必要です。もちろん、「イベント」と「売れる」ことが両立するのがベストかもしれませんが、現状ではそのどちらに向いているのがが極めて見出しにくいように感じます。夜九時までの開催でありながら、近隣の勤め帰りの会社員の方々が続々入場するような光景はあまり見られません。突き詰めて言ってしまえば、まだどうしても内輪色の濃い企画なのです。その辺りが、「アートファン層の拡大と、それにともなうアートマーケットの拡大。」(上記mizdesignさんのブログより。)の、とりわけ「ともなう」以降の難しさを示しているのではないかとも思いました。
さて、会場で一番売れていた作品は、レントゲンヴェルゲのあるがせいじのオブジェ(5000円!)でした。これは、かの「ex-chamber museum」のDADA.さんが企画された「封筒の中のギャラリー」の第三弾で、約80のエディションのうち既に30部がはけています。ちなみに封筒の中のギャラリーについては、WEBショップの「竹ノ輪」で購入することが出来るそうです。そちらもご参照下さい。
竹ノ輪SHOP
封筒の中のギャラリー vol.1 寺内誠
封筒の中のギャラリー vol.2 安岡亜蘭
「封筒の中のギャラリーVol.3 あるがせいじ/作家インタビュー」(ex-chamber museum)
来年は土日を挟んでの開催が予定されているそうです。さらにスケールアップしたアートフェアを待ち望みたいです。(4/11鑑賞)
「アートフェア東京2007」
4/10-12
日本最大のアートの見本市、「アートフェア東京2007」へ行ってきました。2005年の初回に引き続いての二度目の開催です。
会場には、主に在京の画廊、約100軒近くの展示ブースがひしめき合っていました。取り扱いジャンルはコンテンポラリーが目立つものの、古美術や近代洋画などもあり、実に多様です。○×百万円する楽茶碗より、これまた百万以上の値の付いていたリヒターの絵画、さらにはブース内にて公開制作中でもあった名和晃平のオブジェから、一点5万円ほどの若手作家の絵画まで、価格帯も作品も非常に幅広く揃っていました。なかなかこれほど多くの作品の並ぶ中で、魅力ある未知の作家を発見するのは難しい作業ではありますが、買うという視点を前提にアートを見るのも新鮮な感覚だと思います。
せっかく出向きながら、ただウロウロとするだけでは勿体ないので、ちょうど私が入場した頃に始まったガイドツアーに参加しました。(「WHY NOT LIVE for ART ?」18時より。)ガイドを務めたのは、オペラシティアートギャラリーの学芸員を務める飯田志保子氏で、その引率の元、数名の参加者とともに現代美術を扱ういくつかの画廊を見て廻ります。内容はどちらかといえば、「アートをどう買うか。」よりも「どう見るか。」という、やや美術館サイドの視線に立ったものでしたが、画廊での作品の基本的な「見方」(プライスカード云々など。)の説明を聞き、また他の参加者と「この作品を家のどこに置くか。」などと話し合う間に、所定の1時間がすぐに過ぎてしまいました。ちなみにこのツアーはお土産付きです。オペラシティアートギャラリーのチケットをいただきました。
「ラウンジ・トーク 現代アートを買うために」(柏をたのしむ@水上デザインオフィス)
*プレイベントへ行かれたmizdesignさんのブログです。ラウンジトークの詳細なレポートが掲載されています。必見です。
「アートフェア」自体はまだ二回目です。現状では毎年の開催を目指しながら、まずは一定の認知度を高めていく段階なのかもしれません。ただ率直に申し上げると、イベントとして見るなら規模、もしくは内容の面白さに欠け、また「見本市」としての成功(売上げなど。)を追求するなら、取り扱い作品、特に価格帯が中途半端であるような印象も受けました。(おそらく、もっと「大家」の、またより「高い」作品を望む方もいらっしゃるのではないでしょうか。)今回はトークシリーズや私の参加したツアーなど、一定のイベント色があったのは事実ですが、残念ながら土・日の開催はなく、立地に優れた会場を用いながらも外から集客する工夫が全くと言って良いほど為されていません。また逆に「見本市」として価値を高めるには、もっとジャンルを整理しながら専門性を強めることも必要です。もちろん、「イベント」と「売れる」ことが両立するのがベストかもしれませんが、現状ではそのどちらに向いているのがが極めて見出しにくいように感じます。夜九時までの開催でありながら、近隣の勤め帰りの会社員の方々が続々入場するような光景はあまり見られません。突き詰めて言ってしまえば、まだどうしても内輪色の濃い企画なのです。その辺りが、「アートファン層の拡大と、それにともなうアートマーケットの拡大。」(上記mizdesignさんのブログより。)の、とりわけ「ともなう」以降の難しさを示しているのではないかとも思いました。
さて、会場で一番売れていた作品は、レントゲンヴェルゲのあるがせいじのオブジェ(5000円!)でした。これは、かの「ex-chamber museum」のDADA.さんが企画された「封筒の中のギャラリー」の第三弾で、約80のエディションのうち既に30部がはけています。ちなみに封筒の中のギャラリーについては、WEBショップの「竹ノ輪」で購入することが出来るそうです。そちらもご参照下さい。
竹ノ輪SHOP
封筒の中のギャラリー vol.1 寺内誠
封筒の中のギャラリー vol.2 安岡亜蘭
「封筒の中のギャラリーVol.3 あるがせいじ/作家インタビュー」(ex-chamber museum)
来年は土日を挟んでの開催が予定されているそうです。さらにスケールアップしたアートフェアを待ち望みたいです。(4/11鑑賞)
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