「タムラサトル POINT OF CONTACT - 接点 - 」 TSCA KASHIWA

TSCA KASHIWA千葉県柏市若葉町3-3
「タムラサトル POINT OF CONTACT - 接点 - 」
4/21-5/27



電気と火花の彩る、ちょっぴり危険でスリリングなタムラサトルの個展です。器械仕掛けのオブジェ数点が、広々としたTSCAの空間を「無機質」に「飾り立て」ます。



展覧会のパンフレットが青図(*1)風であることからして、そのぶっ飛んだ内容が予見されるものですが、実際に作品へ接しても、意味や価値を考えるのは野暮だとさえ思うほど、現象の面白さを素直に味わうことが出来ました。ゆらゆらと揺れる振り子が金属板をなぞって火花を散らし、白熱球が煌煌と照るという一連の動きが、時に愛らしくもあり、またけなげにも見えてくると、いつの間にかその場から離れなくなっている自分に気がつくのです。ピカピカと光る白熱球とパチパチと音を立てる火花の共演が、簡素でありながらも重厚な装置にて次々と生み出されていきます。これは痛快です。



細長い空間で展開されるオブジェもまた魅力的です。少し引っかかり気味にも動くチェーンで引き摺られた金属棒は、金属の板とリズミカルに接触し、まるで線香花火のように小さく、また美しい火花をチリチリと散らしています。そして、その両者の「出会い」を祝福するかのようにして白熱球が灯っているのです。三者の役割が鮮やかに描き分けられています。終始、鉄板の上をやや不安定に行き来する金属棒を応援したくもなるような作品でした。



これらの大作の他に、それをミニチュア化したような小品も興味深いものがあります。こちらはその凝った仕掛けが必見です。火花の様子がよく見えるように設置された板や、熱を冷ますラジエーターなど、作品をスムーズに動かすための作りが随所に施されていました。



「もの派」に見るような「モノ自体」の面白さを、動きや力を加えることによってさらに感覚的に楽しめるように仕立てているのかもしれません。火花や電球を用いているので、暗くなって見るとその面白さも倍増するかと思います。幸いにもTSCAは夜9時(*2)までのオープンです。

柏駅からは最短で約10分ほどの場所にあります。地図を参照された方が確実です。

5月27日まで開催されています。

*関連リンク
タムラサトル公式HP

*1 図面の一種。建築土木図面の多くはトレーシングペーパーに作図され、ジアゾ複写機(青焼機)で複製される。その複製を青図という。(wikipediaより。)

*2 月~水、及び5/10-12は休廊。オープン時間は正午より夜9時まで。
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