ハーディングのブルックナー

スウェーデン放送響&ハーディングのコンビはなかなか魅力的です。先日にはロンドン響での来日公演もあった、ダニエル・ハーディングの指揮によるブルックナーを聴いてみました。

NHK-FM ベストオブクラシック(4/26 19:30-)

曲 ブルックナー 「交響曲第5番」

指揮 ダニエル・ハーディング
演奏 スウェーデン放送交響楽団

収録 ベルワルドホール(ストックホルム) 2007/1/26



私はハーディングから、あの先鋭的な「ドン・ジョバンニ」の印象をどうしても拭うことが出来ないのですが、この演奏は、どちらかと言えば正攻法のアプローチによって、オーケストラを力強く鳴らして作り上げた、言わば至極「立派」なブル5だったと思います。第一楽章の序奏も肉厚な表現で、勇壮な金管の響きも刺々しくありません。テンポは、特にスケルツォを始めにやや早めに流れていましたが、ブルックナー休止も長く、終始メリハリのある、構成感に優れた音楽を作り出していました。この演奏を聴くと、例えばついこの間に読響で楽しんだスクロヴァチェフスキが、如何に個性的にブルックナーを料理しているのかが良く分かるような気もします。

ブルックナーの最高傑作(と、勝手に思い込んでいます。)でもある「ブル5」最大の妙味は、やはりフーガの組み込まれたあの長大なフィナーレです。私はここで、その錯綜する主題や旋律を階層的に、言い換えれば整理整頓して示すような演奏が好きなのですが、ハーディングも力任せにグイグイと音を鳴らすことなく、コーダの立体感を巧みに生み出すことに成功していました。ただもう一歩、身を任せられるようなゆったりとした「音楽の流れ」があればと思います。かなり縦方向に意識の働くブルックナーです。

例えば息も詰まるほどの緊張感に満ちたティーレマンなどよりは、思いの外にリラックスして楽しめるブルックナーでした。ハーディングの持つロマン派的な志向は、いわゆる古楽器系らしからぬ濃密な響きの力を借りて、今、とても良い方向へ進んでいるようです。これだけ来日の多い指揮者でもあるので、是非、実演に接したいと思います。

*関連リンク
ダニエル・ハーディング公式HP(一部、日本語です。)
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若冲展の「先行プレビュー」、参加者募集中

興味深いイベントです。いよいよ来月13日より開催される「若冲展」(相国寺承天閣美術館)では、展覧会に先立って開催される「プレビュー」の参加者を募集しているそうです。対象は「インターネットで情報を発信している方」です。以下、その概要を、「若冲と江戸絵画展」コレクションブログ」より転載させていただきます。

・日時 2007年5月12日(土)12:30 ~ 13:30
・場所 相国寺承天閣美術館
・人数 10名~20名(応募者多数の場合はサイトの内容を考慮の上、選考させていただきますので予めご了承ください)
・条件
 1. 先行プレビュー開催時(5/12 12:00)に京都 相国寺承天閣美術館にお越しいただける方
 2. 5月15日(火)までに取材した内容をブログやWebサイトで掲載できる方
 3. 写真の使用条件を守れる方(基本的に専属のカメラマンが撮影した写真を使用していただきます)
・参加方法
 以下を明記の上、件名を「先行プレビュー」としてinfo@jakuchu.jp 宛にお送りください。
 1.ハンドルネーム
 2.ご自身が運営するブログやWebサイトのタイトル
 3.ご自身が運営するブログやWebサイトのURL
 4.簡単な紹介文
・応募締切 2007年5月2日 正午
※交通費、宿泊にかかる費用等は各自でご負担ください。


少人数でのプレビューです。会期も短く、また大混雑も予想されるこの展覧会を、ゆったりとした環境で鑑賞出来る唯一の機会かと思います。ただ一つ気になったのは、所要時間が1時間程度だということです。この日はオープン前日のため、プレビュー以外では展覧会を鑑賞することが出来ません。会場自体はさほど広くないと聞きますが、1時間では「動植綵絵」全幅を思いっきり堪能するのは難しそうです。

私はまだこの展覧会へ行くかどうかも未定ですが、特に関西在住のブロガーの方々にはピッタリのイベントではないでしょうか。

詳細等については、「若冲と江戸絵画展」コレクションブログ」をご確認下さい。締め切りは来月2日です。



*基本情報
「若冲展 - 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会 - 」
会期:5/13 - 6/3(無休)
場所:相国寺承天閣美術館京都市上京区今出川通烏丸東入上る相国寺門前町701
開館時間:10:00 - 17:00
入場料:一般1500円、大学生/高校生/65歳以上1200円、中学生/小学生1000円
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