「25×4=□」 東京画廊

東京画廊中央区銀座8-10-5 7階)
「25×4=□」
4/4-28



全員が25歳だというアーティスト4名によるグループ展です。何やら謎めいたタイトルも掲げられていますが、展示作品自体はどれも優れたものばかりでした。見応えは十分です。(ちなみに「□」は、『未知数』や『無限』を意味しているそうです。)

展示室をまず塞ぐようにして立つのは、巨大なスチロール板の白い壁、柴田鑑三の「山寄りの谷/谷よりの山」でした。その両面には、まるで等高線を描いたかのような曲線が、ゆるやかな凹凸感を生み出しながら配されています。まさにこれが山と谷なのでしょう。うっすらと光を通してキラキラと煌めくその表面の美しさはもとより、繊細な曲線の生み出す形の不思議な面白さはかなり魅力的です。またあたかも今、このスチロール板がシュワシュワと溶け出し、そこで何かがうごめきながら隆起し始めているような気配も感じられました。

そのスチロール版の裂け目を潜るようにして進むと、今度は畳敷きのメインのフロアが待ち構えています。ここでは、洋書をオブジェに仕立てた飯田竜太の作品や、一見、静止しているようにも思える能面が、実は縦に動きながら様々な表現を示している尾崎真悟の映像作品などが並んでいます。ただし、何と言っても足元に広がる畳(15畳)を見逃すわけには参りません。大平龍一の作品はまさしくこれなのです。他の畳と色の異なる中央部分に手を差し伸べると、その驚くべき妙味が明らかになるかと思います。

ちなみに大平の作品はもう一点、さながら須田悦弘の椿のように空間に潜むオブジェが展示されています。そちらは是非、会場にてご確認下さい。発見した時の喜びもまたひとしおです。

28日の土曜日まで開催されています。(21日)
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