都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ゼロの庭」 MA2 Gallery
MA2 Gallery(渋谷区恵比寿3-3-8)
「ゼロの庭」
8/19-9/20
MA2の煙突のようなホワイトキューブとの相性も抜群です。「ねじれた時間と空間のある小さな宇宙の庭」(DMより)をイメージしたというグループ展、「ゼロの庭」へ行ってきました。
出品アーティスト
榮水亜樹/小野瀬裕子/勝本みつる/松原健/安田悠
何と言っても拙ブログでも推奨中の安田悠がやはり一推しです。今回の出品作は計3点、これまでの半抽象、半具象ともつかない画風はそのままに、今度は人物が皆無であるという、また新たな展開を予感させるペインティングが紹介されています。森や雪原、それに峡谷を思わせる、白も輝かしいキャンバス上の世界は、あえてたとえればブラマンクを思わせる激しさと、その反面の静けさをたたえた幻想の景色とも言えるのではないでしょうか。キラキラと瞬く星が空に舞い、大地から湧き上がるような木々がのびゆく中を、白とオレンジ、そしてエメラルドグリーンのよる断片的なタッチが、光と空気を与えて祝福していました。このどことない浮遊感もまたたまりません。
浮遊感といえば、二階で展示されている針金を用いた小野瀬裕子のオブジェも魅力的です。あたかも天空に浮く街のような一つの場を、針金の細かい線を宙に這わせて巧みに生み出しています。家々や木立が背景のドローイングと調和し、不思議の奥行き感を見せながら、針金の動きとともに、世界が膨張していくように広がっていました。複雑でありながら、リズムを感じる針金の曲線が、ちょうど水面に垂らした絵の具の波紋のようである、とも言えるかもしれません。
一階の中央部分に吊るされた松原健のガラス作品にも見入りました。円形に並んでほのかに揺れるガラスの筒は、シンプルな造形ながらも、思わずしばし立ち止まって離れられなくなってしまうような求心力があります。このグループ展の核を成す、一つの重力場のような存在でもあるのかもしれません。
今月20日までの開催です。
「ゼロの庭」
8/19-9/20
MA2の煙突のようなホワイトキューブとの相性も抜群です。「ねじれた時間と空間のある小さな宇宙の庭」(DMより)をイメージしたというグループ展、「ゼロの庭」へ行ってきました。
出品アーティスト
榮水亜樹/小野瀬裕子/勝本みつる/松原健/安田悠
何と言っても拙ブログでも推奨中の安田悠がやはり一推しです。今回の出品作は計3点、これまでの半抽象、半具象ともつかない画風はそのままに、今度は人物が皆無であるという、また新たな展開を予感させるペインティングが紹介されています。森や雪原、それに峡谷を思わせる、白も輝かしいキャンバス上の世界は、あえてたとえればブラマンクを思わせる激しさと、その反面の静けさをたたえた幻想の景色とも言えるのではないでしょうか。キラキラと瞬く星が空に舞い、大地から湧き上がるような木々がのびゆく中を、白とオレンジ、そしてエメラルドグリーンのよる断片的なタッチが、光と空気を与えて祝福していました。このどことない浮遊感もまたたまりません。
浮遊感といえば、二階で展示されている針金を用いた小野瀬裕子のオブジェも魅力的です。あたかも天空に浮く街のような一つの場を、針金の細かい線を宙に這わせて巧みに生み出しています。家々や木立が背景のドローイングと調和し、不思議の奥行き感を見せながら、針金の動きとともに、世界が膨張していくように広がっていました。複雑でありながら、リズムを感じる針金の曲線が、ちょうど水面に垂らした絵の具の波紋のようである、とも言えるかもしれません。
一階の中央部分に吊るされた松原健のガラス作品にも見入りました。円形に並んでほのかに揺れるガラスの筒は、シンプルな造形ながらも、思わずしばし立ち止まって離れられなくなってしまうような求心力があります。このグループ展の核を成す、一つの重力場のような存在でもあるのかもしれません。
今月20日までの開催です。
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