都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「会田誠 展」 ミヅマアートギャラリー
ミヅマアートギャラリー(目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2、5階)
「会田誠 展 - ワイはミヅマの岩鬼じゃーい!! - 」
9/3-10/4

タイトルからしていかにも会田らしいぶっ飛んだ内容を期待してしまいますが、実際には随分とまとまった、言い換えれば至極真っ当な展示で拍子抜けしました。国内では3年ぶりとなる会田誠の個展です。ミヅマでの展示を見てきました。
お出迎えは何とも可愛らしく両手を振り、来場者に挨拶するようにしてそそり立つ、「モコモコ」(2008)ですが、それに続くのは浜美の源氏物語展の出品作でも連想させるような『風雅』な書画、「日本語」です。金砂子の舞うような美しい紙上を、あたかも光悦が手がけたような風雅な書体にて、もはやかの世界では『古典的』とも言えるような単語がつらつらと描かれています。またこのような換骨奪胎を思わせる作品としては、額装された紙片が壁一面に整列する「判断力批判批判」も挙げておくべきでしょう。こちらは言うまでもなくカントの大著、判断力批判の日本語訳を素材にしたものですが、それが各ページ毎に切り取られ、その上にはカントのテキストに『相応しい』イメージが色鮮やかに描かれています。率直なところ、以上二点とも、元々の素材自体が持っている存在感を超えた部分を見いだせませんでしたが、そのような控えな切り口でそれこそ『批判』するのも会田の持ち味なのかもしれません。見ていてどこか照れくさくなってしまうような作品でした。
5階の段ボールのオブジェの世界は、むしろ意外感さえ受けるほど統一感のとれたインスタレーションです。結局、一番楽しめたのは、2階の少女の作品でした。この手の画題をとると、さすがに有無を言わさない迫力が感じられます。
満員の観客を期待させつつ、会田はあえて「三振」(公式HPより。)を狙っていたのかもしれません。ただし一観客から言わさせていただければ、岩鬼ではなく殿馬なら、もう少し『秘打』を見たいところでした。
10月4日までの開催です。
「会田誠 展 - ワイはミヅマの岩鬼じゃーい!! - 」
9/3-10/4

タイトルからしていかにも会田らしいぶっ飛んだ内容を期待してしまいますが、実際には随分とまとまった、言い換えれば至極真っ当な展示で拍子抜けしました。国内では3年ぶりとなる会田誠の個展です。ミヅマでの展示を見てきました。
お出迎えは何とも可愛らしく両手を振り、来場者に挨拶するようにしてそそり立つ、「モコモコ」(2008)ですが、それに続くのは浜美の源氏物語展の出品作でも連想させるような『風雅』な書画、「日本語」です。金砂子の舞うような美しい紙上を、あたかも光悦が手がけたような風雅な書体にて、もはやかの世界では『古典的』とも言えるような単語がつらつらと描かれています。またこのような換骨奪胎を思わせる作品としては、額装された紙片が壁一面に整列する「判断力批判批判」も挙げておくべきでしょう。こちらは言うまでもなくカントの大著、判断力批判の日本語訳を素材にしたものですが、それが各ページ毎に切り取られ、その上にはカントのテキストに『相応しい』イメージが色鮮やかに描かれています。率直なところ、以上二点とも、元々の素材自体が持っている存在感を超えた部分を見いだせませんでしたが、そのような控えな切り口でそれこそ『批判』するのも会田の持ち味なのかもしれません。見ていてどこか照れくさくなってしまうような作品でした。
5階の段ボールのオブジェの世界は、むしろ意外感さえ受けるほど統一感のとれたインスタレーションです。結局、一番楽しめたのは、2階の少女の作品でした。この手の画題をとると、さすがに有無を言わさない迫力が感じられます。
満員の観客を期待させつつ、会田はあえて「三振」(公式HPより。)を狙っていたのかもしれません。ただし一観客から言わさせていただければ、岩鬼ではなく殿馬なら、もう少し『秘打』を見たいところでした。
10月4日までの開催です。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )