都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「風間サチコ - 昭和残像伝 - 」 無人島プロダクション
無人島プロダクション(杉並区高円寺南3-58-15 平間ビル3F)
「風間サチコ - 昭和残像伝 - 」
2/4-3/14
「木版画の手法」(公式HPより引用)で、昭和30年代の三池炭坑の記憶を取り戻します。風間サチコの新作個展を見てきました。
冒頭の二点、実際に当時、現地で発売されていたという土産品の「石炭人形」から世界は始まりました。太郎、そして次郎と名付けられた彼らは、風間の描く三池炭坑を支える一介の労働者として必至に働きはじめます。頭にはライトをつけたヘルメットをかぶり、時にサイボーグ化した手足にて狭い坑道の中を力強く行き来する様子は、労働というよりも格闘と言った方が適切なのかもしれません。多発した事故など、一時は日本の屋台骨を支えながらも斜陽を迎えていた彼の時代の炭坑を、どちらかというと決してペシニズム一辺倒ではなく、半ば敬意を払いながら蘇らせていました。悲哀と活力は決して相反するだけのものではなかったようです。
モチーフ云々以前に、建物の細やかな陰影など、木版画自体の質感表現にも非常に見入るべき点が数多く存在します。また風間の個展を見たのは初めてでしたが、会場の過去作品ファイルを眺めて驚きました。ちょうど2年前、文化庁買い上げ展で出品していた巨大な『都市軍艦』、「風雲13号地」(下図版)をご記憶の方も多いのではないでしょうか。
(本展不出品)
手狭な無人島プロダクションと言うことで点数(全5、6点)は望めませんが、今後とも追っかけたい作家の一人であることは間違いなさそうです。
14日、土曜日まで開催されています。
「風間サチコ - 昭和残像伝 - 」
2/4-3/14
「木版画の手法」(公式HPより引用)で、昭和30年代の三池炭坑の記憶を取り戻します。風間サチコの新作個展を見てきました。
冒頭の二点、実際に当時、現地で発売されていたという土産品の「石炭人形」から世界は始まりました。太郎、そして次郎と名付けられた彼らは、風間の描く三池炭坑を支える一介の労働者として必至に働きはじめます。頭にはライトをつけたヘルメットをかぶり、時にサイボーグ化した手足にて狭い坑道の中を力強く行き来する様子は、労働というよりも格闘と言った方が適切なのかもしれません。多発した事故など、一時は日本の屋台骨を支えながらも斜陽を迎えていた彼の時代の炭坑を、どちらかというと決してペシニズム一辺倒ではなく、半ば敬意を払いながら蘇らせていました。悲哀と活力は決して相反するだけのものではなかったようです。
モチーフ云々以前に、建物の細やかな陰影など、木版画自体の質感表現にも非常に見入るべき点が数多く存在します。また風間の個展を見たのは初めてでしたが、会場の過去作品ファイルを眺めて驚きました。ちょうど2年前、文化庁買い上げ展で出品していた巨大な『都市軍艦』、「風雲13号地」(下図版)をご記憶の方も多いのではないでしょうか。
(本展不出品)
手狭な無人島プロダクションと言うことで点数(全5、6点)は望めませんが、今後とも追っかけたい作家の一人であることは間違いなさそうです。
14日、土曜日まで開催されています。
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