都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「アートフェア東京2010」 東京国際フォーラム
東京国際フォーラム(千代田区丸の内3-5-1)
「アートフェア東京2010」
4/2-4/4

東京国際フォーラムで開催中の「アートフェア東京2010」のオープニングプレビューに参加してきました。
プレビューに出かけたのは今回が初めてでしたが、思いの外に会場内は混雑していました。なお本年の出品画廊は以下のリストの通りです。計138軒でした。
出展者一覧

現代美術や古美術を問わず、それこそ骨董から若手アーティストの新作までの「美術品」を、ほぼ即売会方式で紹介する国内最大の見本市です。またその価格帯も取り扱い画廊にて非常に幅があります。(1、2万円から数千万円まで。)例えば洋画と現代美術が隣り合わせに並ぶ、言わば一種のカオス感こそ、この企画の醍醐味かもしれません。
作品を楽しむ、そして購入するには会場へ出かけるのが一番ですが、以下、私がざっと会場を廻った中で興味を引かれた作家、作品を簡単に挙げてみました。
[neutron tokyo/大舩真言]

日本画をオブジェ、そしてインスタレーションとしても美しく見せることに成功しています。同画廊のオープニング展もまた見事でした。
[新生堂/大森暁生]

ほぼ個展形式で作家を紹介する画廊もいくつかありましたが、中でも目立っていたのが主に動物などを木彫で象る大森暁生でした。
[SHINOBAZU GALLERY/山田純嗣]

先日、汐留の鉄道歴史展示室にも出品のあった山田純嗣が完全な個展形式で紹介されています。当然ながらこの作品の繊細さは写真ではお伝え出来ません。なお秋には同画郎で個展の開催も予定されているそうです。
[SCAI THE BATHHOUSE/小笠原美環]

ヨーロッパを中心に活動する小笠原美環の個展です。グレーの抑えられた色調にはかのハンマースホイを連想させるものもあります。前回のSCAI個展からやや時間も経ち、作風に変化が生じているような気もしました。

こちらは会場内の休憩スポットです。和をイメージしたスペースでしたが、さり気なく奥に展示されていたのが狩野派の屏風でした。
またあまりこれまでは意識しませんでしたが、陶芸や古美術関係でも目を引くブースがいくつかあります。
[水戸忠交易/ルーシー・リー]

新美の回顧展もひかえたルーシー・リーの器が20点ほど販売されています。

茶の湯との取り合わせの展示が斬新でした。このブースは一推しです。
[加島美術/長沢蘆雪]

「江戸の奇才」と題された加島美術のブースには、何とかの長沢蘆雪の掛け軸画が登場していました。普段、値段を意識して見ることはありませんが、この日ばかりはプライスリストにも目が向いてしまいます。
[角匠/葛飾北斎]

これまた江戸絵画ではお馴染みの北斎のご登場です。特に肉筆三点は状態も良く、その鮮やかな彩色にも見入るものがありました。

こちらの雀は見覚えのある方も多いのではないでしょうか。板橋美の江戸絵画展に出品されたこともあるのだそうです。ちなみに価格は◯千万円でした。
[ギャルリー サン・ギョーム/クリスト]

デザインサイトで開催中の個展も記憶も蘇ります。クリストのドローイングです。
[YOKOI FINE ART/三宅一樹]

仏像を思わせる静謐な木彫です。手から腕の部分にかけてと着衣の質感なども見事でした。販売はこの一点のみでしたが、これは他の作品も気になるところです。
[ギャラリー小柳/須田悦弘]

一点勝負で来場者の目を引くのは、これまたお馴染みの須田悦弘の可憐な花の彫刻でした。飾らないホワイトキューブに一輪の花のみを掲げる展示に、むしろ心地よい潔さすら覚えます。これは見事でした。

もはや説明の必要はないかもしれません。ひょっとするとこの作品、全出品の中で最高値であったのではないでしょうか。
ちなみに会場はメインの展示ホールと、主に若手作家を集めたロビーの「PROJECTS」に分かれています。しかしながら昨年のように建物からして別というわけではありません。そう迷うことはなさそうです。
フロアマップ(PDF)

また会場内でいわゆる見どころをピックアップしたガイドブック(アートコレクター)が何と無料で配布されていました。必見です。
会期中、3つのトークイベントがフォーラム内のセミナールームで開催されます。それぞれ無料で参加出来るのは嬉しいところですが、何と今回はその模様がUstreamでライブ配信されるそうです。
トーク・シリーズ 「ダイアローグinアート」 アートフェア東京Ustream
・「文化政策はアートを救うか?―ポスト政権交代におけるアートを考える」 4/2 17:00~
蓑豊(サザビーズ北米本社副会長)/逢坂恵理子(横浜美術館館長)/鈴木寛(文部科学副大臣)
・「脱ガラパゴス化 日本のアートをもっと元気に」 4/3 13:00~
建畠晢(国立国際美術館館長)/イーデン・コーキル(ジャパン・タイムズ編集局学芸部記者)/廣田登支彦(ギャラリー広田美術取締役)/吉井仁実(hiromiyoshii代表)/野呂洋子(銀座柳画廊取締役副社長)/辛美沙(アートフェア東京エグゼクティブ・ディレクター)/小澤慶介(アートフェア東京 アソシエイト・ディレクター)
・「コレクタートーク」 4/4 13:00~
田中恒子(「美術館にアートを贈る会」副理事長)
G-Tokyoの関係もあるのか、例年、非常に力の入った展示を繰り広げたミヅマなどが出展を取りやめています。あまり全体としての印象を云々するイベントでもないような気もしますが、その動向が今度どうアートフェアの運営や集客に影響していくかにも興味がわきました。
4月4日の日曜日までの開催です。なお開催中、開場時間が異なります。ご注意下さい。
*4/2(金)11:00~21:00、4/3(土)11:00~20:00、4/4(日)10:30~17:00
注)写真の撮影と掲載については主催者の許可を得ています。
「アートフェア東京2010」
4/2-4/4

東京国際フォーラムで開催中の「アートフェア東京2010」のオープニングプレビューに参加してきました。
プレビューに出かけたのは今回が初めてでしたが、思いの外に会場内は混雑していました。なお本年の出品画廊は以下のリストの通りです。計138軒でした。
出展者一覧

現代美術や古美術を問わず、それこそ骨董から若手アーティストの新作までの「美術品」を、ほぼ即売会方式で紹介する国内最大の見本市です。またその価格帯も取り扱い画廊にて非常に幅があります。(1、2万円から数千万円まで。)例えば洋画と現代美術が隣り合わせに並ぶ、言わば一種のカオス感こそ、この企画の醍醐味かもしれません。
作品を楽しむ、そして購入するには会場へ出かけるのが一番ですが、以下、私がざっと会場を廻った中で興味を引かれた作家、作品を簡単に挙げてみました。
[neutron tokyo/大舩真言]

日本画をオブジェ、そしてインスタレーションとしても美しく見せることに成功しています。同画廊のオープニング展もまた見事でした。
[新生堂/大森暁生]

ほぼ個展形式で作家を紹介する画廊もいくつかありましたが、中でも目立っていたのが主に動物などを木彫で象る大森暁生でした。
[SHINOBAZU GALLERY/山田純嗣]

先日、汐留の鉄道歴史展示室にも出品のあった山田純嗣が完全な個展形式で紹介されています。当然ながらこの作品の繊細さは写真ではお伝え出来ません。なお秋には同画郎で個展の開催も予定されているそうです。
[SCAI THE BATHHOUSE/小笠原美環]

ヨーロッパを中心に活動する小笠原美環の個展です。グレーの抑えられた色調にはかのハンマースホイを連想させるものもあります。前回のSCAI個展からやや時間も経ち、作風に変化が生じているような気もしました。

こちらは会場内の休憩スポットです。和をイメージしたスペースでしたが、さり気なく奥に展示されていたのが狩野派の屏風でした。
またあまりこれまでは意識しませんでしたが、陶芸や古美術関係でも目を引くブースがいくつかあります。
[水戸忠交易/ルーシー・リー]

新美の回顧展もひかえたルーシー・リーの器が20点ほど販売されています。

茶の湯との取り合わせの展示が斬新でした。このブースは一推しです。
[加島美術/長沢蘆雪]

「江戸の奇才」と題された加島美術のブースには、何とかの長沢蘆雪の掛け軸画が登場していました。普段、値段を意識して見ることはありませんが、この日ばかりはプライスリストにも目が向いてしまいます。
[角匠/葛飾北斎]

これまた江戸絵画ではお馴染みの北斎のご登場です。特に肉筆三点は状態も良く、その鮮やかな彩色にも見入るものがありました。

こちらの雀は見覚えのある方も多いのではないでしょうか。板橋美の江戸絵画展に出品されたこともあるのだそうです。ちなみに価格は◯千万円でした。
[ギャルリー サン・ギョーム/クリスト]

デザインサイトで開催中の個展も記憶も蘇ります。クリストのドローイングです。
[YOKOI FINE ART/三宅一樹]

仏像を思わせる静謐な木彫です。手から腕の部分にかけてと着衣の質感なども見事でした。販売はこの一点のみでしたが、これは他の作品も気になるところです。
[ギャラリー小柳/須田悦弘]

一点勝負で来場者の目を引くのは、これまたお馴染みの須田悦弘の可憐な花の彫刻でした。飾らないホワイトキューブに一輪の花のみを掲げる展示に、むしろ心地よい潔さすら覚えます。これは見事でした。

もはや説明の必要はないかもしれません。ひょっとするとこの作品、全出品の中で最高値であったのではないでしょうか。
ちなみに会場はメインの展示ホールと、主に若手作家を集めたロビーの「PROJECTS」に分かれています。しかしながら昨年のように建物からして別というわけではありません。そう迷うことはなさそうです。
フロアマップ(PDF)

また会場内でいわゆる見どころをピックアップしたガイドブック(アートコレクター)が何と無料で配布されていました。必見です。
会期中、3つのトークイベントがフォーラム内のセミナールームで開催されます。それぞれ無料で参加出来るのは嬉しいところですが、何と今回はその模様がUstreamでライブ配信されるそうです。
トーク・シリーズ 「ダイアローグinアート」 アートフェア東京Ustream
・「文化政策はアートを救うか?―ポスト政権交代におけるアートを考える」 4/2 17:00~
蓑豊(サザビーズ北米本社副会長)/逢坂恵理子(横浜美術館館長)/鈴木寛(文部科学副大臣)
・「脱ガラパゴス化 日本のアートをもっと元気に」 4/3 13:00~
建畠晢(国立国際美術館館長)/イーデン・コーキル(ジャパン・タイムズ編集局学芸部記者)/廣田登支彦(ギャラリー広田美術取締役)/吉井仁実(hiromiyoshii代表)/野呂洋子(銀座柳画廊取締役副社長)/辛美沙(アートフェア東京エグゼクティブ・ディレクター)/小澤慶介(アートフェア東京 アソシエイト・ディレクター)
・「コレクタートーク」 4/4 13:00~
田中恒子(「美術館にアートを贈る会」副理事長)
G-Tokyoの関係もあるのか、例年、非常に力の入った展示を繰り広げたミヅマなどが出展を取りやめています。あまり全体としての印象を云々するイベントでもないような気もしますが、その動向が今度どうアートフェアの運営や集客に影響していくかにも興味がわきました。
4月4日の日曜日までの開催です。なお開催中、開場時間が異なります。ご注意下さい。
*4/2(金)11:00~21:00、4/3(土)11:00~20:00、4/4(日)10:30~17:00
注)写真の撮影と掲載については主催者の許可を得ています。
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