「ゴールデンウィーク特別企画展 富士山展」 ニュートロン東京

ニュートロン東京港区南青山2-17-14
「ゴールデンウィーク特別企画展 富士山展」
4/28-5/16



「気鋭現代美術作家が富士山に様々な技法とアイデアで挑みます。」(画廊HPより引用。一部改変。)ニュートロン東京のゴールデンウィーク特別企画、富士山展へ行ってきました。

出品作家は以下の通りです。

三瀬夏之介/山本太郎/寺島みどり/冬耳/中比良真子/森太三/林勇気/前川多仁/松岡亮

メディアアートからインスタレーション、また絵画まで、多様な表現で『日本一の名峰』に迫る展覧会ですが、富士山を半ば身近に接している東海、関東在住の作家ではなく、その他、ようは富士から一歩引いた関西出身の作家が多いのも特徴かもしれません。作品も正面から富士に挑むのではなく、やや斜めにも構えた、言わば単純な富士礼賛に留まらないものが目立っていました。


山本太郎「形態不時屏風(一部)」(2010年)

得意とする琳派の主題を取り入れながらも、製紙工場からもうもうとあがる煙を書き入れるなど、現代の富士山を取り巻く環境について問いただしています。前に置かれたパンツは「逆さ富士」の見立てでした。


三瀬夏之介「ヘテロフォニー」(2010年)

この山はむしろ富士の下に広がる樹海のカオスに近いのかもしれません。その岩山を目で追っていくと、いつの間にか言わば鑑賞行為は遭難してしまうのではないでしょうか。人跡未踏の大山脈はあまりにも敢然と立ちふさがっていました。


前川多仁「富士山防衛戦」(2009年)

まずは鮮やかな赤が目に飛び込んできました。織物に組み込まれた兵器のイメージは、富士山の演習場を連想させるものがあります。



ところで今回、私として一番惹かれたのが、林勇気の映像作品、「富士山に登る為の試み」でした。そこで半ば小人と化した林本人は、壁面へ写し出されたMacの富士山の画像へ向けて、何と驚くべきことにディスクトップ上で「登山」しています。そのアニメーションのコミカルな様子には目が釘付けとなってしまいました。



またもう一つ、林のiphoneを用いた映像作品にも要注目です。ここで林は今度、iphoneの中の画面へ入り込み、現実の画廊の場と富士の合間をワープするかのようにして行き来しています。ちなみにこの作品は計4点ありました。2点はすぐに見つけることが出来ますが、後の2点はあえて分かりにくい位置に展示されています。是非、会場で探し出してみてください。

なお作家の林はこのGW中、新宿で開催中の映像アートのイベント、「イメージフォーラムフェスティバル2010」にも出品があるようです。詳細は同イベントWEBサイトをご参照下さい。



「イメージフォーラムフェスティバル2010」@新宿パークタワーホール(7/28~5/5) Image_forum@twitter

5月16日まで開催されています。*GW中は3日(月)以外連日オープン
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