「複合回路 - 認識の境界 - 第二回 早川祐太」 ギャラリーαM

ギャラリーαM千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F)
「複合回路 - 認識の境界 - 第二回 早川祐太」
6/5-7/10

危うく見逃すところでした。本年度のギャラリーαMの連続シリーズ展の第二弾、早川祐太の個展へ行ってきました。

作家のプロフィールについては画廊WEBサイトをご参照下さい。

第二回 早川祐太 Yuta HAYAKAWA@ギャラリーαM

昨年、武蔵野美術大学の大学院を修了し、最近では西新宿のWAKO WORKS OF ARTの二人展などへの出品があったそうです。


「if the ground were round」(2010)一部。

前回の複合回路、つまりは田口行弘の個展も見る側の自由な想像力を強く引き出す展示でしたが、そういう意味においては本展も変わることはないかもしれません。お馴染みのホワイトキューブには一つの水槽の他、透明のチューブ、そして石膏やゴムの白い球体、さらには蛍光灯や木材が並び、一方で水と空気の運動が全体の作品を有機的に結びつける働きを示していました。


「The moon is a big rock」(2010)一部。

チューブを伝わる水滴が白い立方体に解放され、また気泡が水槽をぶくぶくとわき上がってくる様子を見ていると、何やら誰もいない、言わばストイックなまでに借景をそぎ落とした日本庭園を見ているような気持ちにさせられるのではないでしょうか。立方体は鹿威しを受ける石、白い球体は庭石そのもの、そして水槽の泡は池の生き物の吐き出す息の痕跡、さらには水面に浮かぶ円形の板は蓮の葉にも見立てることが出来るかもしれません。無機質な空間と素材は、早川の仕掛けによって、地下室を超えた外界へと繋がりました。


「if the ground were round」(2010)一部。

いつの間にか水滴と気泡がチューブで結びついているような錯覚を受けるのも興味深いところです。水槽と立方体は想像の中のチューブを介して行き来しました。

ここに掲載した作品写真の一部の断片を是非とも会場で結び合わせてみて下さい。きっと何かが開けてきます。

10日の土曜日まで開催されています。おすすめです。
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