「サイコアナリシス - 現代オーストリアの眼差し」 TWS渋谷

トーキョーワンダーサイト渋谷渋谷区神南1-19-8
「サイコアナリシス - 現代オーストリアの眼差し」
5/29-8/1



「狂気を見つめるオーストリアの現代美術家7組」(チラシより引用)を紹介します。トーキョーワンダーサイト渋谷で開催中の「サイコアナリシス - 現代オーストリアの眼差し」へ行ってきました。

出品作家は以下の通りです。私は全く存じ上げない方々でしたが、日本初発表の作家も多いとのことでした。

ビッター/ヴェーバー、マリア・ハーネンカンプ、アグライア・コンラッド、ドリット・マーグライター、ウルスラ・マァイヤー、マルクス・シンヴァルド、アンドレア・ヴィッツマン


マーグライター「pavilion」2009 / 35mm film on DVD, 8'00"

何やら意味深な映像や写真メインということで評価は分かれそうですが、私としては例えば現地の建築をモチーフにした用いたいくつかの作品を興味深く見ることが出来ました。マーグライターの「pavilion,2009」は、モノクロ一色に包まれた幾何学的な建築物が延々と無声で映し出される作品でしたが、クローズアップされる断面や光の陰影などを見ていると、何やらその建物自体のモノローグを聞いているような不思議な気持ちにされられます。また都市の鳥瞰写真を素材にしたビッター/ヴェーバーも、言わば錯視的効果を利用した作品です。実景にある素材が混じり合うことで、あたかもその先にある都市の実在感が解体されていくような感覚を受けます。まさにトリッキーでした。


ビッター/ヴェーバー「image.source」 2000 / 4 A0 prints on paper

精神分析学(サイコアナリシス)云々というタイトルの通り、お世辞にも取っ付き易い内容とは言えませんが、しばらく映像などを追っていくと、いつしか暑さを忘れて背筋に冷たいものを感じるような、半ばちょっとした不安感にも襲われる展覧会でした。

8月1日までの開催です。(入場無料。)なお東京展終了後は、熊本市現代美術館(9/18~11/28)へと巡回します。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )