「畠山直哉 - 線をなぞる/山手通り」 タカイシイギャラリー

タカイシイギャラリー江東区清澄1-3-2 5階)
「畠山直哉 - 線をなぞる/山手通り」
7/17-8/14

タカイシイギャラリーで開催中の畠山直哉の新作写真展へ行ってきました。

本展出品作の概要は以下の通りです。(画廊サイトより引用。)

今回発表される作品シリーズは、畠山が2008年から2010年にかけて、東京を縦断する山手通りを大橋交差点から熊野町交差点まで、南北10kmに渡って撮影を続けた作品によって構成されます。


「線をなぞる / 山手通り #3418」2008年

今回のシリーズを見て感じたのは、何物にもない都市の不在の感覚です。首都高のトンネル工事によって常に変化し続けた山手通りは、時に大きく歪み、またある時には面と線のみに還元されて、あたかもコラージュ作品の一部であるかのように解体されていました。見慣れた道路の白線やフェンス、そして電柱などが、単なる色や形の記号のように浮きあがってくるのはとても新鮮です。実景でありながら、どこにもない虚構の場所を見ているような錯覚を覚えました。

無秩序に並ぶビルや壁、また資材置き場などを見つめる眼差しにも独特の美学が貫かれています。こうも美しい景色が都市のあちこちに隠されていたとは知りませんでした。

なお本個展は二本立てです。これら一連の山手通りのシリーズの他、G-tokyoでも出品された「Slow Glass/Tokyo」も展示されています。雨が吹き付け、水玉で埋め尽くされたガラス越しの東京はあまりにも脆く、このまま溶けて消えていくかのような表情を見せていました。

8月14日までの開催です。おすすめします。
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