ピンホール。


オイルがじわじわ減っていく、サンバートラック。
どうやら、オイルパンがサビでピンホールしているっぽい。
オイルパンには油圧はかからないから、オイルフィルターにピンホールした時みたいに急激にオイルが失われることはないが、それでも1000kmで1?くらいのペースでオイルが減っていく。
オイルパンはもともとかなり錆びてたから、ハンダとか溶接で直しても、長いことはあるまい。
交換するしかないか。


オイルパン入手。
エンジンを載せ替えているので、エンジンの付いていた車台番号で発注した。
税別8720円。いたたたたたた。


新品は黒の下塗りで出た。
ブローバイのパイプが上に出ている。


内側。
ブローバイのとこと、オイルピックアップの入るとこにバッフルが設けられている。


ブローバイのバッフル。
悪路や傾斜路、急カーブなどでオイル液面が大きく動いたとき、ブローバイからオイルが排出されてしまうのを防いでいる。


オイルピックアップのバッフル。
こっちは、悪路や傾斜路、急カーブなどでオイル液面が大きく動いたとき、このバッフルの中にある程度オイルを保持しておくことで、オイルポンプがエアを吸わないようにしている。


内側から見たドレンボルト。
ねじ山になるフランジを溶接してある。


というのも、オイルパンはこのような薄い鉄板のプレス品なので、それ自体にはネジを立てれないのだ。
薄いから、当てればすぐ歪むし、錆びれば穴も開く。
こんなのが9000円もするってのはどうなんだかな。


少しでも錆の発生を遅らせるべく、ペイントしてやることにいた。
部品番号のタグを剥がす。
オイルパンをストーブの前であっためれば、簡単にきれいに剥がせる。


ドレンボルトは付けたまま、ドレンボルトとブローバイパイプをマスキングして、塗装する。
今回は、以前使った残りの二液ウレタン塗料を使った。
置いといても固まって捨てるだけだから、棚の整理だ。


これは濡れてるわけでなく、もう指触乾燥状態。
ウレタンは、刷毛でテキトーに塗っても、こんなにぬらぬらとした艶が出る。


マスキングを剥がした。
ウレタンは塗膜が強いから、少しは錆を遅らせれるだろう。
・・・と期待しているが、なにしろ道路に塩撒く国だからなあ・・・。



そこまで準備していたのだが、寒いのと雪で、作業のモチベーションが上がんなくて、しばし放置していた。
しかし、もうオイル交換しなきゃない時期にきちゃったし、まあしゃーない、やるか、と。
まずジャッキアップしてウマに載せたら、右後輪を外してオイルを抜いて、右のダイアゴナルメンバを外す。


オイルパンの前を通る、右のドライブシャフトも外す。
ドラシャは、付け根のロールピンを抜いて・・・。


外側にスライドさせれば・・・。


簡単に抜ける。
サンバーのいいとこだが、ドラシャ抜いてもギアオイルが出てこないのだ。
抜いたドラシャは、邪魔になんないとこによけとく。


ブローバイホースも抜いておく。
しっかしひでえ錆だな。


ドラシャの陰になるあたりに、オイルの染みがひどい。


オイルパンのM6ボルトを上のほうのから外す。
オイルパンのフランジが狭いから、1/4インチ角のソケットを使うのがよかろう。
狭苦しいとこのボルトなので、長いエクステンションを使うとラクだ。


外したボルトは、こんなマグネット式のトレーにくっつけとくのがラクだ。
コレ買った当時は最新鋭の便利工具で高かったんだが、今はホムセンでも安く買える。


下の列を外す前に、オイル受けをセット。
風が強かったので、垂れるオイルが飛び散らないように、ドレンパンを外したタイヤの上に載せている。


外したボルトやソケットをドレンパンの廃油の中に落としてしまうこともあるが、こんな磁石のピックアップツールがあれば安心だ。
ヘボメカ必携の一品。


ラスト1本か2本は、緩めるだけにしておいて・・・。


オイルパンとクランクケースの間にスクレーパみたいな薄い刃物を突っ込んで、貼り付いている液体ガスケットを切っていく。


ある程度切れば、ムリッと剥がせる。


オイルパンを外した。
クランクシャフトを隠しているのは、オイルがシリンダー側に回りにくいように設けられているバッフル。
真ん中のラッパ状のはオイルピックアップ。ここからオイルを吸い上げる。
左の細いのはオイルゲージ。


外したオイルパンには、結構な量のオイルが残っていた。
普通にドレンしても抜き取れない分だ。
ドレンボルト周辺の内面のペイントが傷んでいたので、たぶんドレンボルトが齧るかなんかで炙ったことがあると推測される。


オイルパンの底にあったオイル染みの、かなりひどく膨らんだ錆を剥がしたら、案の定、穴が開いていた。


穴のアップ。
ピンホールと呼ぶにはやや大きい。
穴は錆だけで半ば塞がっていたのだ。なんかの弾みで錆が剥がれれば、結構いい勢いでオイルが抜けたかもしれない。


ドラシャの陰になっていたあたりのオイル染み部分。膨らんだ錆を剥がしたら、ここにもやはり穴。
全体の錆を落としてみればまだまだ穴があるのかもしれないが、まあこんだけでも十分ダメだ。
塩は怖えーな。


新旧オイルパンの比較。
外形はまったく同じだ。


同じく内面。
同じ物で間違いないようだ。


クランクケースのフランジに残った液ガスをきれいに取る。
取れたら脱脂しとく。
オイルゲージも邪魔だから抜いておく。


フランジに液ガスを塗ったオイルパンを、クランクケースに合わせる。
位置は一発で決めて、すかさずボルトを仮付けする。


オイルパンのフランジに歪みが出ないように、ボルトを締め付けていく。
締めれば、このように液ガスがはみ出てくる。
締めてから30分ぐらい、液ガスが触ってもねっぱらない程度になるまでは、オイルを入れたりしない。


オイルフィルターも錆がひどかったので、交換する。


右後輪外してるから、フィルター交換は楽々。


ドレンボルトは、念のため一度外してから取り付けておく。
対辺14ミリのボルトだった。
元のは対辺17ミリのが付いていたのだが、中古エンジンだから、それが正規品かどうかはわからない。ドレン回り炙った跡もあったしな。


液ガスがいい感じになったら、オイルを入れる。
試運転して漏れがなければ、とりあえずOK。あとは実走行でオイル温度が上がってから確認する。

このあと、ドラシャとダイアゴナルメンバを復旧して、ポイントのメンテをして、作業を終えた。
ポイントのメンテしてたら雪が降ってきたので、手早く済ませるために写真は撮っていない。
これでオイル減りは収まってくれるはずだが・・・。
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