ブレーキ警報灯点灯。
サンバー。
走行中、路面の段差の振動でブレーキ警報灯が一瞬チカッと点灯した。
ブレーキ警報灯は、サイドブレーキ引くと点くけど、ブレーキ液が減っても点くようになっている。
この写真は、止まってサイド引いて点灯させている。
計器盤右端のカバーの中にあるブレーキタンク。液面が加減ライン近くまで下がっていた。
通常、ブレーキパッドの摩耗による液面低下では、最初によほど液面が低くない限り、ここまで下がることはまずない。
ブレーキ液が漏れている可能性があるけど、駐車場には液垂れの跡はなかった。
フロントのキャリバを触っても乾いていて漏れはない。
リアをのぞき込んだら、左リアのドラムブレーキのバックプレートのペイントがしわしわのふにゃふにゃに溶けていた。
ドラムの中にブレーキ液が漏れて、じわじわ染み出しているのだ。
これは右のブレーキ。ペイントは解けていない。
左リアブレーキが漏れてるなこれ。
というわけで、左リアのセンターキャップを外す。
センターナットの割ピンを抜く。
割ピンは再使用はしない。
安い物だし、いつもツールボックスに予備を入れておこう。
最低でも対角の前輪に輪留め。今回は両前輪に輪留めした。
センターナットを少し緩めておく。
サイドブレーキを緩めて、リアをジャッキアップ。
センターナットを外す。
ホイールごとドラムを引き抜く。
うわあこれは案の定。
漏れたブレーキ液とブレーキダストでドロドロ。
ドラム側もドロドロだ。
ブレーキ液に練られたダストが砥糞のようになっている。
ブレーキシューもドロドロ。
こんなんでもサイドブレーキもフットブレーキも一応効いてるように感じてたんだから、俺の感覚も大したことない。
サンバーは四輪独立サスで、リアもセミトレのアーム付け根付近がホースになっている。
ホースに古いラジエターホースの切れ端をかませて、バイスプライヤで挟んで流れを止める。
ブレーキシリンダを外す。
ブレーキシューや、塗装が侵されたバックプレートも外す。
ホイール裏面にはブレーキ液の痕跡はなかった。外へは漏れ出していなかったようだ。
サイドケーブルはバックプレートに差し込まれている。Oリングの外側が錆びて少し抜きづらかった。
ブレーキシリンダを分解して、カップ類を外す。
ブレーキシリンダをパーツクリーナーに浸して洗う。
シリンダ内は虫食いの発生はなくてひと安心。
汚れは付いてるから磨かなきゃな。
リアブレーキのカップキット。
今年車検だからと、たまたま買っておいてあった。
スズキアルトあたりと共通らしいな。
キット内はゴム部品のみなので、ピストンやスプリングは再使用する。
ブレーキシリンダ直す前に、バックプレートをよく洗って、塗装を直す。
ブレーキ液はアルコール系のパークリでなくても、中性洗剤と水で落とせる。
ドラムブレーキのバックプレートだからアレかと思ったけど、一応耐熱ブラックで塗った。
乾いたらバーナーで耐熱塗料の焼き付け。
キレイに磨いたブレーキシリンダ。
ピストンも磨く。
いきなり組まれている状態に飛ぶ。
サンバー1号はラチェットスクリュジャッキ式の調整装置だったけど、2号はラチェットセクタになっていた。・
ドラムを組む前に、ドラムをはめてコイツを調整して、サイドケーブルの引き代を調整しておく。
ブレーキシューはさすがに買い置きがなかったので、とりあえずよく脱脂洗浄して、表面も一皮むいてから組み戻した。それでもブレーキ液が浸透している可能性が排除できないから、シューをすぐに発注している。
ブレーキパイプもきちんとつないだら、ホースをつまんでいたプライヤを外して、ブリーダーをつなぐ。
ブレーキ液はDOT-3を使う。
エア抜き。
ブレーキのエア抜きは、念のため多めに抜いたけど、こんなもん。
左がイカレたなら、右も時間の問題だ。なので、右リアブレーキもバラす。
右は漏れの形跡はない。
右リアブレーキもカップ交換しといた。
さて、今回の記事は、検索等でたどり着かれた読者諸兄には、参考にするには内容が詳しくなくて不親切かと思われるかもしれない。
しかし、記事を見ただけで自分もできそうな気になって、安易に真似して悲惨な結果になっても誰のためにもならないので、あえて詳述を避けている。ブレーキはよほど自信がない限り、安易に手を出すべきではない。俺も整備書を傍らにきちんと確認しながら、必要な規定値はきちんと守って作業を進めているのだ。
ブレーキ警報灯がチカッと点灯したら、普通の正解の対応は、「整備工場に持ち込んで発現した症状を伝える」だ。
各位どうかご安全に。