hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

長嶋有『安全な妄想』を読む

2011年11月24日 | 読書2
長嶋有著『安全な妄想』2011年9月平凡社発行、を読んだ。

各種メディアに発表したエッセイ66編を集めている。

冒頭の「蕃爽麗茶」から面白い。
S出版社からお歳暮で送ってくる品物(本文には実名を挙げているが、ここでは特に名を秘す??)がまずくて飲めない。断っても断っても送って来て、冷蔵庫を占領する。友人の作家の家に遊びに行って冷蔵庫の上部にブロック化したあの品を発見してしまう。
〇〇〇〇の、ストローまで茶色というところも中年扱いぽくてむっとする。ママやぼくにはカラフルな赤や緑だけど、中年太りのパパは茶色ね! みたいな、・・・


「ごはんできたよ」
向こうの部屋から「ごはんできたよ」と呼ばれて「はーい」と答えて食堂に行ったらまだ全然ご飯をよそってない。ことがある。
釈然としない。
・・・
ウソをいうな。
「ごはんもうすぐできるから手伝って!」と正確にいってほしい。ものすごく、ガッカリするから。


ふざけた口調で語っているが、他の話を読んでも、長島さんは、言葉に敏感で厳密な人らしい。ちょっとずれた言葉に怒り、そこから自虐ネタが生み出されるようだ。



長嶋有(ながしま・ゆう)
1972年埼玉県草加市生れ。北海道育ち。東洋大学第2文学部国文学科卒業。
シャチハタ勤務後、
2001年「サイドカーに犬」で文学界新人賞受賞、芥川賞候補
2002年「猛スピードで母は」で芥川賞受賞
2007年『夕子ちゃんの近道』で大江健三郎賞受賞
その他、『ジャージの二人』など
ネット・コラムニスト「ブルボン小林」としても活動



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

全編おふざけで笑える。こういった本は簡単に読めるので電車の中で読むのが良いのだが、思わず吹き出して周囲の人に白い目で睨まれるおそれがある。
私は嫌いではないのだが、おふざけ度が高いので、芥川賞作家「長嶋有」の名ではなく、「ブルボン小林」の名で発表した方が良いと思える。

iPhoneもときどき突然落ちるという。
iPhoneの、あの「落ちた」後の涼しげな感じはなんだろう。あらわれる林檎のマークがツルピカで格好いいのも解せない。「俺、iPhoneだけど?」みたいな風だ。
今、おまえそういう態度でいい場面じゃないだろう。

昔、私もWindows3.0(もっと昔だったかも)を使っていた頃、パソコンが突然落ちて、セーブしてないデータが飛んでしまうことが多かった。しかも、画面には「不正な操作が行われました」といった内容の表示がでる。アメリカの責任逃れ文化によけい頭にきたのを思い出した。




コメント
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