津村紀久子・深澤真紀著『ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法』(2013年4月紀伊國屋書店発行)を読んだ。
派遣やニートを代弁し、ロスジェネ世代の作家と言われ、最初の会社をパワハラで退社した芥川賞作家津村記久子さんと、
「草食男子」の名付け親のコラムニストで、バブル世代の剛腕マスコミ人だが、虚弱体質な深澤真紀さんが、
女子力無・世間知らず・不器用・KYなままでも、何か一つの取り柄だけでなんとか社会で生き延びていくための技術を語り尽くす。
世間が押しつけてくる価値観に過剰に反応して、適応できず、世の中を上手に渡っていけない女性に捧げる「ダメ道」推奨対談集。
日経ウーマンオンライン人気連載に、未公開対談を大幅に加え単行本化。
仕事編(大人だから耐えてやってるんだよ、調子のんなよ!;女子力のなさを商品価値にできてありがたいです;すみません、バブル世代がご迷惑おかけして;これはもう、とにかく逃げるしかない ほか)
生活編(血縁ってそんなにありがたいですかね;うまくいかない家族関係は諦めたほうがいい;家族の呪いから解放されるためには;娘へのアドバイスという名の呪い ほか)
女子たちを理不尽に苦しめる、さまざまな呪縛として挙げられているのは、
普通の人と普通の結婚がしたい/パーフェクトな女子であるべき/娘へのアドバイス/子供がいないからわからない/女とは面倒な生き物である/前から歩いてくる女全員を値踏みする女/おもろい女はモテない/私のこと好きな男なんて、すてきな人じゃない/ という呪い
私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)
お二人の極端に個性的な話はおもろいのだが、250頁も延々とおしゃべりが続くとうんざり。
津村 「いつもありがとうございます」って気に入っていたビビンパ屋で言われて、もう行かなくなった。・・・
深澤 私も自意識過剰で人見知りなので、常連扱いされると、すぐ心のブラインドがパサッと下ります(苦笑)。
深澤 味方をつくろうとするんじゃなくて、私のことを見てくれてる人がなんとなくいるというゆるいままの状態が大事。仲良くなろうとしてお掃除のおばさんにおみやげを買う、みたいなことになると、お掃除のおばさんに逆に支配されたりするからね。仲良くなるのと「支配・被支配の関係」は紙一重だから。
深澤 私も自意識過剰で人見知りなので、常連扱いされると、すぐ心のブラインドがパサッと下ります(苦笑)。
深澤 味方をつくろうとするんじゃなくて、私のことを見てくれてる人がなんとなくいるというゆるいままの状態が大事。仲良くなろうとしてお掃除のおばさんにおみやげを買う、みたいなことになると、お掃除のおばさんに逆に支配されたりするからね。仲良くなるのと「支配・被支配の関係」は紙一重だから。
まあ、わかるような気がするが、ちょっと極端じゃない?
通帳に記帳すると安心する深澤さん、洗濯していると自分の人生でいちばんマシなことしていると思う津村さん。女子力ないというが、やはり女性らしいところあるなと思う。
「私に直してほしいところある?」と、学生時代から20年も一緒にいる夫に聞いたら、「ん?・・・性格?」って言われた深澤さん。性格って!
パソコンのフォント(字体)で盛りあがる二人。
津村 私、MSゴシックからメイリオに変えたときめっちゃ仕事すんの楽しかったですもん。
深澤 メイリオ! 私もメイリオについては一家言ある。すべてのパソコンをメイリオに変えてます(笑)。
深澤 メイリオ! 私もメイリオについては一家言ある。すべてのパソコンをメイリオに変えてます(笑)。
やっぱ、この二人、普通じゃない。でもわかるけど。
津村記久子(つむら・きくこ)
1978年大阪府生まれ。小説家。大谷大学文学部国際文化学科卒業。
会社勤め→失業→会社勤めを経て、
2005年『マンイーター』(改題『君は永遠にそいつらより若い』)で太宰治賞
2008年『ミュージック・プレス・ユー!!』で野間文芸新人賞
2009年『ポトスライムの舟』で芥川賞
2011年『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞受賞
深澤真紀(ふかさわ・まき)
1967年東京都生まれ。コラムニスト・編集者。企画会社タクト・プランニング代表取締役社長。
早稲田大学第二文学部社会専修卒業後、複数の会社で編集者を務め、
1998年企画会社タクト・プランニングを設立
「とくダネ!」(フジテレビ系列)にコメンテイターとしてレギュラー出演。
「草食男子」を命名し、2009年新語・流行語大賞トップテンを受賞