松浦理英子著『最愛の子ども』(2017年4月25日文藝春秋発行)を読んだ。
宣伝文句は以下。
日夏(ひなつ)と真汐(ましお)と空穂(うつほ)。夫婦同然の仲のふたりに、こどものような空穂が加わった。
私立玉藻(たまも)学園高等部2年4組の中で、仲睦まじい3人は〈わたしたちのファミリー〉だ。
甘い雰囲気で人を受け入れる日夏。 意固地でプライドの高い真汐。 内気で人見知りな空穂。
3人の輪の中で繰り広げられるドラマを、同級生たちがそっと見守る。
ロマンスと、その均衡が崩れるとき。巧みな語りで女子高生3人の姿を描き出した傑作長編。
3人の女子高生を中心とする群像劇は、「わたしたち」という三人称で語られる。
登場人物
私立玉藻学園高等部2年4組:仲良すぎて、「変態クラス」と呼ばれる
舞原日夏(ひなつ):夫役。人気者で際立って何でもできるが、醒めている。日夏の真汐に対する喋り方や態度は常に優しく、真汐をとてもだいじにしているのがわかる。
今里真汐(ましお): 妻役。日夏とは中等部時代から親友。意固地で可愛げがなく人と衝突する。日夏に対しては比較的素直で信頼をおいているようにみえる。弟は光紀。
薬井空穂(うつほ):子役。大人しく受動的。高等部から入学。最愛の子供? 父親はいなく、母は看護師の伊都子。
草森恵文:現代文と古文が得意、木村美織:官能系情報コレクター、田中花奈子:絵が上手、二谷郁子:ピアノが上手、須永素子:ダルビッシュファン、穂苅希和子:美女・蓮東に思いを捧げる、井上亜沙美:テニス部、磯貝典行と幼馴染、佐竹由梨乃、冬美
蓮東苑子:別クラスの美女。天然で話がずれる。他人のことは何も考えない。
鞠村尋斗:男子クラスのボス。男子が女子を嫌う風潮を作っている。
磯貝典行:井上亜沙美と幼馴染
古見和生:蓮東苑子に交際を申し込む
唐津禄朗:2年4組の担任、英語教師
藤巻英洋:生物教師
初出:「文学界」2017年2月号
私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)(最大は五つ星)
仲良し女子高生がくっついたり離れたり。本人たちはいっぱしのつもりでエロ話をなんでもないことのように話したりする。共学高だが、女子クラスで、お定まりのレズ手前の好意、行為もある。
こんな話、おじいさんが読むものかと思ったが、多少だれ気味だが、ともかく読み切ってしまった。
登場する親が昔かたぎではなく、ヒッピー風(古っ)だったりして、危ない子どもに理解がありすぎてついていけない。出てくる洋楽はほとんど知らず、ショック。
松浦理英子(まるうら・りえこ)
1958年愛媛県松山市生まれ。青山学院大学文学部卒業。
1978年「葬儀の日」で文學界新人賞受賞しデビュー
1994年『親指Pの修業時代』で女流文学賞
2008年『犬身』で読売文学賞を受賞
他に『セバスチャン』、『ナチュラル・ウーマン』、『裏ヴァージョン』、『奇貨』など