伊坂幸太郎著『フーガはユーガ』(2018年11月10日実業之日本社発行)を読んだ。
20代前半になった優我が、同年代の高杉と話している。高杉は番組の企画で変わった動画を探していて、トイレの優我が瞬間的に立ち上がったり、一瞬に絆創膏つけたりしている動画を示し、説明を求めた。
小学2年の誕生日10時10分、優我と風我は瞬間に入れ替わっていた。以来、誕生日の同時刻にはいつも瞬間移動することに気付く。
常盤優我:双子の兄。父親のDVを受け、母親はそれを見て見ぬふり。勉強が得意。
常盤風我:双子の弟。同。運動が得意。
高杉:テレビ制作所会社の社員。
ワタボコり:いじめられっ子のあだ名。ワタヤホコル。
広尾智也:金持ちの息子、優等生、いじめっ子。
小玉:風我の彼女。両親を交通事故で亡くし、叔父の家に居候。
ハルコ:大学生の優我が惹かれた9歳年上の女性。ハルタ君の母親。
私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?)(最大は五つ星)
伊坂幸太郎の大ファンを自称する私が「二つ星」をつけるとは、嘆かわしい。
謎に満ちた不思議な世界を生き生きと描いたアゴタ・クリストフの『悪童日記』、『ふたりの証拠』、『第三の嘘』とつい比べてしまうので、評価が厳しくなってしまう。
双子の入れ替わりもいろんなところに書かれていそうで「なんだかな~」と思う。まあ、誕生日で、時間も限定されているのではあるが。
伊坂さんらしいユーモア、洒脱ぶりもなく、虐待や復讐の残忍さばかりで、伊坂作品で初めて落胆した。