先週日本の著名な登山家がアンナプルナⅠ峰6200メートル付近で雪崩に巻き込まれ死亡したニュースが報じられた。 日本人初の8千メートル峰10座目の挑戦であったという。 この世界的な登山家の訃報は極限の世界で困難から探検隊を一人残さず生還させたシャクルトンの冒険をふと思い出した。 第2次世界大戦中に南極大陸横断を試みたイギリスの探検家、アーネスト・シャクルトン卿の物語である。探検隊は南極大陸にすら到達せず、探検の目的は全く達成されなかったが、シャクルトンは別の意味で高く評価され今日でも良く引用されている。 酷寒の南極海で次から次ぎと起こる絶望的な状況を克服して、隊員28名全員を無事生還させたシャクルトンのリーダシップを研究して今日の政治や経営、或いはプロジェクトマネジメントに生かそうというものである。
アムンゼンが南極点に到達した後も世界の冒険熱は冷めていなかった。 シャクルトンの冒険はスポンサー探し・隊員募集から始まり、出港後南極海の氷に阻まれ船を放棄して、食料を確保しながら氷山を移動、3隻のボートで無人島にわたり、そこから決死隊を選定して1200km先の捕鯨基地までボートで救援を求めに行くというのが粗筋である。この間色々な性格の隊員を取りまとめ誰一人取りこぼすことなく帰還させたというのは奇跡であり、隊員の日記等の資料や写真が残っておりすぐれて後世の研究の対象となっている。
欧米ではシャクルトンの自伝に加え多くの書物が著されている。冒険記だけでなくビジネス書として書かれたものが多数ある。冒険物語として一級品で十分面白いが、シャクルトンが色々な状況でどういう意思決定していくか興味深い。 次々と襲いかかる困難にリーダに必要な精神力とアイデアを枯渇せず正しい判断を下し続けたのは奇跡である。 今日のビジネスの世界で頻繁に参考にされている所以である。 プロジェクトの成功は企業存続に決定的な影響を与える経営のトップマターになり、過去10年に米国に本部を持つPMI(Project Management Institute)に代表されるようにプロジェクトマネジメントの研究が進んでいる。 最先端の経営管理手法として50年前の目標を達成しなかった冒険物語が注目されるのはチームが全員生還したからであり、登山家の訃報を悼むと同時に教訓として活かしていただきたいと思わずにはいられない。
アムンゼンが南極点に到達した後も世界の冒険熱は冷めていなかった。 シャクルトンの冒険はスポンサー探し・隊員募集から始まり、出港後南極海の氷に阻まれ船を放棄して、食料を確保しながら氷山を移動、3隻のボートで無人島にわたり、そこから決死隊を選定して1200km先の捕鯨基地までボートで救援を求めに行くというのが粗筋である。この間色々な性格の隊員を取りまとめ誰一人取りこぼすことなく帰還させたというのは奇跡であり、隊員の日記等の資料や写真が残っておりすぐれて後世の研究の対象となっている。
欧米ではシャクルトンの自伝に加え多くの書物が著されている。冒険記だけでなくビジネス書として書かれたものが多数ある。冒険物語として一級品で十分面白いが、シャクルトンが色々な状況でどういう意思決定していくか興味深い。 次々と襲いかかる困難にリーダに必要な精神力とアイデアを枯渇せず正しい判断を下し続けたのは奇跡である。 今日のビジネスの世界で頻繁に参考にされている所以である。 プロジェクトの成功は企業存続に決定的な影響を与える経営のトップマターになり、過去10年に米国に本部を持つPMI(Project Management Institute)に代表されるようにプロジェクトマネジメントの研究が進んでいる。 最先端の経営管理手法として50年前の目標を達成しなかった冒険物語が注目されるのはチームが全員生還したからであり、登山家の訃報を悼むと同時に教訓として活かしていただきたいと思わずにはいられない。