かぶれの世界(新)

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過情反応

2005-05-06 10:03:27 | 社会・経済
鉄道史上最悪となったJR西日本福知山線の事故の報道を聞くたびに、何の罪もない犠牲者と残された家族のことを思うと誠に痛ましい限りである。事故原因を徹底的に解明しこの犠牲を無駄にしないで欲しい。そのためには「人を責めずに原因を科学的に追求する」姿勢が重要である。しかし、このところの報道は事故初期の未熟な運転手からJR西日本の責任者・経営者に非難のターゲットがが移りヒートアップし、やや違和感を感じる。私には過「情」反応しているように思える。

ボーリングなどとんでもない。しかし、私にはその取り上げ方がやや扇情的で血の臭いがする。この後スケープゴートを求めてその首を取ることに国民の目を向かせ、ターゲットが疲れ切って辞めるか最悪自らの命を絶つまで追い詰める。その後気が抜けたようにエネルギーが失われ根本原因が解明されず、根本的な改革が見送られ人は変わってもシステムは生き残る。過去の日本の歴史を振り返ればこのようなパターンを辿ることが何度もあった。

人の問題にフォーカスして報道を続けるとやがて一線を越えプライバシーに踏み込み、見たくない一時的な激情が電波に乗って流れ良くも悪くも世論が一変したことが度々ある。報道の仕方で劇的に世論が変わった最近の例はイラク誘拐事件における「自己責任」報道で、記憶に新しい。「情」を報じる時は余程注意しなければならない。最終的なゴールは継続して安全で便利な輸送システムを作るという視点で報道を続け、その視点から一時的でなく息長く追求していかねばならない。

コメント
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