先週S&PはGM、フォードの社債格付けをジャンク債、つまり投資不適格に引き下げた。予想はされていたものの、他への波及を考えると参ったなというのが正直なところである。今朝方のニュースではムーディズもフォードの長期社債格付けをBaa3からBaa1に下げたと報じている(ジャンク債の一つ上の格付け)。今なら社債が割安で買えるのだが、利払いが滞る(defaultという)可能性があるので投資しないほうが良いという格付けでは怖い。自動車産業は米国の象徴であり、トヨタは何らかの形で支援をすると公表したのも、単なる企業業績悪化とは捉えていないためである。
GM業績悪化の原因について既に種々報道されている。商品戦略の誤りが最大の原因であり、80年代の石油危機で販売不振になった教訓が生かされてない。報じられた費用構造を見ると巨額の構造的な負担(経費)が重石となっており寒々としてくる。GMの粗利は17%でそのうち10%強が販売管理費、6%強が社債の利払いに当てられているという。しかも販売管理費を減らそうとしても、その半分は退職者を含む社員の医療保険費であり簡単には手をつけられない。GMのように昔からの巨大企業は多くの退職者をリストラで減った社員が支えており、老齢化を向かえ日本の年金システムが危機に陥っているのと共通する構造がある。誰も既得権益は手離さない。これ以上売り上げが落ちると大変なことになるのに売り上げが改善する理由も見当たらない。
思うに9/11後の低金利による景気刺激策が本来もっと早く表面化させたはずのGMの構造的な問題を先送りし、商品戦略などで根本的な手を打たずかえって傷を大きくしたのではないか。GMには手元資金200億ドル(約2兆円)があり今すぐ破産するわけではなく、会社の切り売り等で生き延びるなどいくつかの選択はあるが、それでも各方面に波紋が広がっている。有名な投資家であるカーコリアン氏のGM株買収の動きや、欧州ヘッジファンドがGM社債下落で大損し影響が拡大するかもしれないという噂が流れている。当分目が話せない。
GM業績悪化の原因について既に種々報道されている。商品戦略の誤りが最大の原因であり、80年代の石油危機で販売不振になった教訓が生かされてない。報じられた費用構造を見ると巨額の構造的な負担(経費)が重石となっており寒々としてくる。GMの粗利は17%でそのうち10%強が販売管理費、6%強が社債の利払いに当てられているという。しかも販売管理費を減らそうとしても、その半分は退職者を含む社員の医療保険費であり簡単には手をつけられない。GMのように昔からの巨大企業は多くの退職者をリストラで減った社員が支えており、老齢化を向かえ日本の年金システムが危機に陥っているのと共通する構造がある。誰も既得権益は手離さない。これ以上売り上げが落ちると大変なことになるのに売り上げが改善する理由も見当たらない。
思うに9/11後の低金利による景気刺激策が本来もっと早く表面化させたはずのGMの構造的な問題を先送りし、商品戦略などで根本的な手を打たずかえって傷を大きくしたのではないか。GMには手元資金200億ドル(約2兆円)があり今すぐ破産するわけではなく、会社の切り売り等で生き延びるなどいくつかの選択はあるが、それでも各方面に波紋が広がっている。有名な投資家であるカーコリアン氏のGM株買収の動きや、欧州ヘッジファンドがGM社債下落で大損し影響が拡大するかもしれないという噂が流れている。当分目が話せない。