一昨日母は松山市内の入院先から老人ホームに戻った。先月田舎に戻って以来週2回くらいのペースで母を見舞ったが、2度目には元気になったのが私の目にもわかった。元気になると母の口が悪くなる。今週火曜日の午後に見舞った時母は寝ていた。顔色が良くなった気がした。
酸素チューブは外されていた。暫くベッドの横でいると母の目が開いたので、一言二言言葉を交わし、長居は無用と帰ることにした。私が顔を見せることは嫌ではないと思うのだが、話題に困り近所の知人の消息や家庭菜園や田畑の手入れを報告し始めると嫌がる。未だに母が興味を持って聞きたい話題が何か分からない。
階下のナースステーションに立ち寄り看護婦さんに聞くと、エコーと血液検査の結果良くなったので翌日退院するという。肺炎が治り熱も下がった。インシュリンを従来のものが日に3回、即効性のものが就眠前と、計4回の投与になっていた。老人ホームのスタッフに必要情報を伝えて引き渡すが、施設での介護負担が増えそうだ。
看護婦さんの説明を一通り聞いて母の病室に戻り「明日退院だって、良かったね」と声をかけると、「知ってる」と返事。私に朗報を知らせようという気持ちは母には無かったようだ。何も言ってくれないとは、承知はしていたものの、やっぱり寂しい。
翌日、老人ホームから母が退院した旨連絡のメールが入った。今回の入院で母の脚力が弱り、自力で排泄が出来なくなった等々変化があったので、介護プランの変更が必要になった。次週早々に介護プランの見直しのカンファランスをしたいという。(何故か会議と言わないで英語だった。)
老人ホームに入居する前、リハビリ専門医で半年掛けて杖歩行や排泄を訓練したのに、全て退行したと思いがっかりした。生きる意欲がまだ残っていると感じるのだが。もう一度訓練してくれと言っても無理だろう。老人ホームにはリハビリ担当は一人だけで、専門家という感じもしない。介護付の老人ホームに入れたからもう大丈夫と思ったが、次々と問題が起こるものだ。
母が退院した日は爽やかな秋晴れだった。午後思いついて、夏の間にバンパーにアオカビが生えた車を洗い、やりかけなっていた庭木の剪定をしていると、在宅介護時の世話になったケアマネージャが来られた。母はバセドウ病で糖尿病の症状が出ていたことが分かったと、最近の様子を説明したがあまり反応が無かった。
彼女の用件は年末の介護保険更新に合わせ、母の現状と施設や主治医の確認、実家と老人ホームのある自治体間で認定を委託する、主治医の意見書作成依頼などであった。来週施設で介護プラン見直しの打合せをするので、その時に伝えると答えた。久しぶりの彼女は若返ったように見えた。私だけが年をとったのだろうか。■