今年のプロ野球のリーグ優勝決定戦は日米共に面白かった。両国のシステムは違うが中日を除き日米共通して、勢いに乗ったイケイケのチームが大本命を破って勝ち残ったことだ。残った4チームは夫々特徴がある。
日本では、シーズン勝率5割そこそこのロッテが、粘り強い攻撃で西武・ソフトバンクを撃破した。シーズン中とは別のチームのような二枚腰の強さだった。唯一シーズン中と変わらず力を発したのは中日で、阪神に連勝し勢いがついていた巨人を2試合連続完封した防御力は圧巻だった。
米国では、昨年のチャンピオンのヤンキースと一昨年のフィリーズが、戦前の予想を裏切り共に敗れた。ヤンキースは金に任せて優秀な選手を補強し昨年以上の力があるはずだった。この数年フィリーズは投打が充実し、先発の顔ぶれを見るだけで「勝負あった感」があった。
だが、レンジャーズは絶対的なエース(クリフ・リー)と、現時点で世界最高の打者(ハミルトン)という2枚の切り札が活躍して、チームに勢いをつけヤンキースを圧倒した。実際、ゲームの勝敗は別にしてこの二人のプレイは惚れ惚れするというか、ただ見るだけでも楽しい。
一方ジャイアンツは初戦でリンスカムの快投と、シーズン中は特別活躍しなかったロスの本塁打連発がチームに勢いをつけた。ロスの活躍は昨年の松井のように好いところで本塁打を打ち、まさにラッキーボーイだった。これも勝つ条件の一つだ。
さて、いよいよ日本一と世界一(実は米国一だが、一応敬意を示して)の戦いが始まる。例によって私の大胆占いは、ディフェンスと監督で中日、投打の切り札の決定力でレンジャーズが勝つと予測する。どちらも初戦が重要だ。初戦でロッテの打線が中日の投手を打ち込むか、リンスカムがハミルトンら強打のレンジャーズ打線を抑えれば、私の予測は大外れとなる。
日米共に人気チームが勝ち残らなかった。日本では、地上波の中継がないという聞いたことのないシリーズになるという。米国でも、ここ数年必ず日本人選手の誰かが出場していたのだが、今年は一人もいないというのも寂しい。だが、大変興味あるゲーム内容になると期待している。■