散歩から戻る途中で真っ直ぐ歩けなくなった。風が強いせいかと思ったら地面が揺れている。目がおかしくなったのかと思った。少し気分が悪くなった。こんな長周期の大きな揺れを経験したのは初めてだった。通りかかった人は皆立ちすくんでいる。近くの中年女性の足元を見ると裸足だった。宅配の運転手が大丈夫かと声をかけてきた。少なくとも家の周りに被害はなさそうだ。
家に帰ると息子の部屋の本が棚から落ちた程度で、それ以上格別被害は無かった。テレビをつけると殆ど被害がないように見えたが、時間の経過とともに徐々に津波の被害が報じられ大地震を実感した。電話は全く通じない。そのうち安否を確認するメールが娘から来た。彼女が連絡を取り合ってくれて家族全員の無事がわかってホッとした。携帯メールの威力を実感した。
息子が食糧を仕入れにいくと駅中の店や駅前の百貨店はクローズしていたという。しかし開いている店もあって、弁当を買っ来た。CNNもベタで世界にニュースを発信し、特に太平洋湾岸国に津波に備えよと伝えている。耐震対策で建物は大丈夫のようだが、これ程の津波にはどうしようもないようだ。電車が止まって市営バスで帰ったという家内の顔を見てホッとした。■
