かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

不安の伝染(続)

2011-03-27 17:04:32 | 日記・エッセイ・コラム

全国のスーパーから水が無くなり、我が家が右往左往した話には続きがある。昨日長男の嫁の両親と家内が若夫婦の住む五反田のアパートに様子を見に行ったそうだ。そこで乳児に絶対必要な別のものが危うく無くなるなるところだったと家内が電話をかけてきた。

今度は紙おむつが手に入れ難くなっているらしい。嫁さんが息子に相談すると慌てる事は無いと取り合わなかったという。しかし現実には店頭では品薄になっており彼女は売り切れ寸前の紙おむつをやっとのことで手に入れたという。「もうパパの言う事は信じない」と彼女は怒ったそうだ。そう言われて、息子は形無しだったと想像する。

水が売り切れたのはまだ理屈が分かるが、合理的に考えれば紙おむつが品薄になるなんてありえない。「馬鹿げている、過剰反応だ」と息子が思うのはわかると私は答えた。すると、そういうところが「息子とあなたはそっくり、分かってない」と彼女は私を非難した。

現実に起こった事だし喧嘩する気は無いので何も反論しなかった。不安に襲われた時の群集心理と行動は合理的に説明できないし、予想しなかったことが起きたということだ。だが、人の心を分かっていれば予想できたことだと言い返されそうだ。子供の為にはそこまで考えよ、と。

大震災で冷静に対応する人たちが賞賛される一方で、被災地とは関係ない全国の店頭で品切れの商品が出てくる。報道を見ると、どん底に落とされた被災地の人達より、直接被害を受けてない人達の方がより不安になって買い占めに走り、震災で受ける(かもしれない)苦痛を声高に訴える。助かっただけで十分とは言わない。それも人情か。その人情を理解しないと息子と私は責められた。沈黙。■

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする