かぶれの世界(新)

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核の二重基準

2012-01-19 16:23:28 | ニュース

福島、関東、西日本の53家族の食事に含まれる放射性セシウム量を調査した結果を今朝の朝日新聞は報じていた。平均で3食あたり福島は4.01ベクレル、関東0.35ベクレル、西日本は検出されずだったらしい。原発事故からの距離に応じた結果で、福島の最悪値でも国の基準値を大きく下回ったという。

今月5日に投稿した「朝日の変心」で書いたように、この記事も過剰に不安を煽ることなく客観的にデータで説明し伝える姿勢を感じた。即ち調査結果は自然界の放射線よりはるかに低いと専門家の談話を載せ、60年代の核実験の影響やチェリノブイリ原発事故時のデータを示し、読者が知りたい情報を網羅した上で判断できる内容になっていた。

私は、この記事自体は大変良くできた内容だったと思う。だが何を重要と感じてニュースとして取り上げるかという点で、ダブルスタンダードがあると感じざるを得ない。それは二枚舌と言った意図的な使い分けではないが、無意識下での偏りとでも言うものだ。又、朝日だけの問題でもない。

指摘したいのはイランの核開発問題だ。欧米は原子力発電では不要なレベルのウラン高濃縮を進めているとしてイランを非難し経済制裁を断行する構えだ。イランはこれに対しホルムズ海峡を封鎖して対抗すると警告し強硬姿勢を貫き、世界的な危機に発展する恐れがでてきた。

一方国内を見ると、紛争が拡大すると石油が止まる心配のニュースばかり流れる。事あるごとに世界唯一の被爆国といい原爆反対を主張する団体やマスコミが、イランが核保有国になり過激派の手ににわたる心配はしないというのは凄く違和感がある。

これでは核廃絶とか原発反対と尤もらしく大声で言っても、心配なのは結局手前のことだけだろうと言われても反論出来ない。更にもう一つ、私の記事「東電の放射能でなければ放射能にあらず」(2011/10/19)に書いたように、東電の原発事故以外の理由で生じた放射線は、同じ放射線で有害でも無視されてニュースにならない二重基準だ。

何故かこの国では核に関ると基準が二つ出て来る。それ程ショックが大きかったのかもしれない。福島の人達がそうなっても非難は出来ないが、マスコミに煽られていつまでも国中が二重基準で揺れ動くことはない。恐れを取り除き読者や視聴者に冷静な判断材料を提供する、そこまで朝日は変心して欲しいと願う。■

コメント
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