かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

自己分裂するマスコミ

2012-01-30 10:39:44 | ニュース

このところの一体改革を巡る報道を見て危機感の共有が賛否を分けると指摘し、「野田改造内閣と世論の不幸なすれ違い」と「閑話休題」、「破綻国家へようこそ」などで議論を深めるよう繰り返し投稿してきた。昨今の政局報道を見ると残念ながらその期待は徐々に薄れてきたように感じる。野党やマスコミ報道は結果として野田内閣の信頼感を奪うのに成功しているように感じる。

これらの記事では殆どの主要新聞が政府の提案する一体改革の支持を表明している。しかし、いわばそれは社説や署名入りの論説であり、一方で2面以降では政策より政局を取り上げ法案の内容よりプロセスを問題視する勢力の動向を取り上げているとブログでも指摘してきた。

テレビのニュース(バラエティ)番組は元々新聞の2面記事やスポーツ紙・週刊誌のスキャンダル記事を伝える傾向が強かった。ニュース番組は系列の大新聞があるはずで、報道に何故そんな違いが出て来るのか私には謎であった。バラエティ番組ではタレントが世界政治経済と日本の状況を理解した上で発言するなど無理な話だが、その裏にスタッフがいて基調を決めるはずだ。

テレビニュースが政局中心の報道になる傾向が強いのはある程度仕方がない。しかし、日本ではテレビの影響力は極めて大きいので、国の進路を誤らせる事態になれば困ったことになると思っていた。それにしてもこのマスコミ報道の分裂は一体何故か、私には謎だった。私は後から指摘されて困らないよう両論を載せアリバイ作りしているのだろうと推測した。

この謎のマスコミ報道の分裂について、昨日興味ある仮説を見つけたので紹介したい。それはkechack氏のブログ記事マスメディア:財務省マンセーの上部構造と政局大好きの下部構造」http://blogos.com/article/30485/である。かいつまんで仮説を紹介する。

「現在のマスコミ各社は国民に不人気でも長期的な問題に対応する政策を支持する上部構造(新聞の経営陣、論説委員、デスク)と、政局や新党・政党の離散集合など政治が面白くなり売れるニュースを追及する下部構造(現場記者、社会部やテレビ局)が存在し、それぞれ別の動きをしている。」 私はこの仮説を読んで現状の分裂した報道をよく説明していると感じた。

echack氏は続けて、この状況を変えるのは橋下市長が国政に転じて消費税を上げると言えば、小泉時代のようにマスコミは上下構造が一枚岩になるだろう、或いは解散で民主党が選挙に負けると国民は消費税にNOを突きつけたとして、上部構造は橋下氏につくと予想している。(いずれにしてもこのままでは自民党の目はないようだが、それは別問題。)

なんとも国民を馬鹿にした話だが、凄くありそうで説得力があるように聞こえるから怖い。政治は民度の現れと言うが、その民度のかなりの部分をマスコミが作り上げると考えると、こんなマスコミを持った国民は不幸だ。彼らこそ一体改革が必要ではないか。日本にFTNYTのクオリティが欲しいと思うのはやっぱりかぶれの世界だろうか。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする