かぶれの世界(新)

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トモダチ

2012-01-27 16:43:06 | 日記・エッセイ・コラム

四国愛媛県の南にある宇和に一昨日大雪が降ったと報じるニュースを見た。実家のある大洲市より更に南にある小さな町で、およそ雪とは縁が無いような所だ。昨夏の台風で実家の壁が落ちたことを思い出し、それ程遠くない実家も雪に降られて何か起こっているかもしれないと思った。南国の農家の家なので、深い雪の備えは十分ではないかもしれない。

心配になって松山市の友人に様子を聞いた。数年前に偶然知り合い、母の見舞いなどで松山の介護施設を訪問した時など昼飯を一緒する。退職後10年足らずの間に、徐々に仕事の繋がりでの友人とは年賀状だけの関係になって来た。年々交際の範囲が狭まり、私にとっては退職後に出来た数少ない友人の一人だ。

その友人は昨年ガンの疑いの診断を受けた時、思いもかけず親身になって心配してくれた。伝を頼って相応しい病院を調べてくれ、専門家の助言を聞いて伝えてくれ、私はそれに従った。それ以来、とても身近なトモダチと感じるようになった。

ということで気軽に雪の様子を聞くと、直ぐに返事が返ってきた。今回は南側の宇和に雪が降り、北側の松山には雪は降らなかったという。追っかけて、大洲市内の写真を手に入れ送ってくれ私を安心させてくれた。素直にトモダチの思いやりを感じた。

トモダチは私にはある種の感情が湧く言葉だ。友達ではない。その一つが東日本大震災の翌日から始まった米軍の支援活動「トモダチ作戦」だ。陸海空三軍18,000人を越える将兵が参加した史上空前の救援といわれた。これだけの規模の軍が自衛隊と連携して迅速に活動できたのは、予め綿密に計画していたか或いは普段からの信頼関係があったのではないかと思う。

報道されていないが日本にとどまった米軍将兵の家族は被災者への募金活動、被災孤児の受け入れ、食糧や衣類などの提供など、軍の活動にとどまらない広範な支援をした。防衛大臣や被災地の住民から米国への感謝の気持ちが伝えられたが、もっと感謝の気持ちをしっかり表すべきだと私は思った。大掛かりな遺体捜索活動をする米兵の姿を見て、こいつらトモダチだと思った。

一方、多くの米軍基地があり特に沖縄の普天間基地移設問題を抱え、米軍基地の存在意義や理解度を高めたいという狙いが作戦にあったという批判が主に沖縄から聞こえてきた。それもあったかもしれないが、そのような思惑だけだったら果たしてこれほど大規模で迅速な作戦の展開は出来たろうか。

基地問題はおいといて人として謝意を示すことの出来ない沖縄の状況を悲しく思った。それだけ沖縄の基地問題は深刻と言われれば反論はしないが。しかし、海難事故で遭難したイラン人を救助した米軍に、長らく断絶状態にあり現在ホルムズ海峡閉鎖を巡り一触即発のイランでさえ感謝の意を示したことを考えると寂しい思いもある。

さて、米国の「トモダチ作戦」は68億円かかったそうだ。単に68億円の募金があったというより何十倍もの効果があったと私は感じる。米国の狙いがそこにあったとしたら、極めて効果的な結果を得たと思う。だとしても決して悪いことではない、両国にとって信頼を深める出来事だった。私もトモダチがやってくれたことを素直に嬉しく思い「アリガト」と感謝したい。■

コメント
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