先週から車の窓についた細かいホコリが目に付くようになった。散歩中に川沿いの道で出会った河川パトロール員によれば、このところは黄砂より花粉の方が圧倒的に多いという。久しぶりに東屋で読書をすべく汚れたテーブルを拭くとタオルが赤茶色くなった。たまたま近くにいた隣のオバサンに見せると花粉だという。花粉症にかからなかったはずの私もこのところ少し鼻水が出る。
サンルームと格好よく花火を打ち上げたが、実体は雨の日にも洗濯物を干せるようベランダをサッシで囲った程度の1~1.5畳の広さの物置だ。見積書の名称は「テラス囲いバルコニー工事」と的確に実体を語っている。でもサンルームと私は呼びたい、決して安い買い物ではないから。実家の勝手口への取り付けが難しいと頭を捻り、松山から調べに来たメーカーの人は帰って行った。樋や欄間のデコボコで隙間を埋められないらしい。どういう形にするのか、まだ決まってない。
今週初め、やたらと焼き魚が食べたくなった。朝、港から入荷したアジを店頭で焼いて売っている近くの魚屋を思い出して買いに行った。全国的に有名な「関アジ」と同じ魚場で釣ったアジだが、八幡浜港に水揚げしたのでブランド品ではない。勿論、スーパーで買うより美味しい。ところが、サバしかなかった。
聞くと3日連続の強風で海が荒れて船を出せなかったという。黄砂が来て船は出なかった。他に選択がなくサバにした。50cm位の太い竹串を豪快に刺して炭火で焼いた一尾を買った。今の時期のサバは美味しいのかと聞くと、ノルウェー産だから時期は関係ないという妙な返事に納得した。アジを食えないのは残念だったが、いつもの塩サバ(それもノルウェー産)より大物で美味しかった。
別の日に散歩中、犬を連れた老人に会った。以前庭の手入れやって貰ったことがある。体調を崩し別の庭師にお願いした経緯がある。顔色が良くなりすっかり健康を取り戻されたようで、また仕事したい様子だった。しかし、この数年は別の庭師の世話になっており代えられない。「今は自分がやっている」と小さい嘘をついてしまった。今は7割方やっているから大嘘ではない。
散歩道沿いにある我が家の畑が何も作らず放置されているのを見て、手入れを兼ねて何か作ってあげようかと彼は提案した。庭がダメなら畑作ということなのだろう。「とても有難いのだが、市役所内の農業委員会に一緒に行って登録して欲しい、ハンコを押すだけで簡単な手続きだ」と答えたが、彼はしり込みした。私も妥協しなかった。
「こういう事は曖昧にはするな、と母に言われている」と再び小さな嘘をついた。誰かの助言を受けたのだが、思い出せないときは大抵母を使って言い訳する。ただ、誰かに畑作をお願いしたいと思っているのは本当だ。口約束で貸し借りする訳には行かないだけなのだ。これも初めての事ではない。他にも申し出があったが、市役所とか農業委員会とか言うだけで逃げられた。■