かぶれの世界(新)

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消費増税狂想曲

2014-04-04 22:53:58 | 日記・エッセイ・コラム

 消費税が8%に増税される前日の夜、我が家で小さな論争があった。家内が特売が安かったからといって、当座必要な量の何倍かの消耗品を買ったのに私がケチをつけた。一体いくら節約できるのか分かってやっているのか、3%なんてコーヒー1杯かワイン1本我慢したら節約できる程度だろう、必要でないかどうか判断して買った方がいいと。

 テレビで報じられた消費者の駆け込み需要の様子を見て私はうんざりした。なんて無駄なことにエネルギーを使っているのかと。生活を切り詰めると決意を述べる主婦や、年金を減らされてこれではやっていけないと恨み節を述べる高齢者たち。一体誰の為の消費税なのか、特に高齢者は孫子の財布に手を突っ込んでもっと面倒見てくれと言っていると同じではないかと思った。インタビューする時は、言いっ放しにさせないで「受益と負担」と合わせて意見を言わせろと怒った。

 話を元に戻すと、家内は工夫して買い物をして節約したのにその努力を非難されて少し感情的に反発した。最近ちょっとした言葉の行き違いで口論になることが多い。私は普段から本当に必要かどうかよくよく考えて最低限の買い物をするようにしている。どんな小物でも必要なだけ購入し常に手元資金を最大化しておこうという習慣がある。はた目にはケチそのものだが訳がある。

 米国で仕事をした時、キャッシュフローで酷く苦労したことがある。品質問題を起こし工場の運転資金が底をつきオペレーションが止まりそうになった。手元にあるお金で給料を払い、残ったお金で最低限何を買い、何を作り、何を売るか決めて資材購入した。キャッシュフロー優先のオペレーションだ。取引先への支払いは相手を見ながら繰り延べた。日本なら不渡り連発でとっくに倒産していたはずだ。会社が黒字か赤字かなんて二の次、大事なのは手元にどれだけキャッシュがあるかだった。自転車操業の典型だった。

 もう一つは以前紹介したリーマンショック後危機に陥った米国自動車メーカーのキャッシュポジションだった。何時までに幾ら支払いがあるか、近未来のキャッシュフローで賄えるか、3社(GM・クライスラー・フォード)のキャッシュポジションはどうなのか。公開された情報や憶測記事を見て少なくともフォードは他の2社より良いと判断して債券保持を判断し大損を免れた。いざという時の手元資金の重要性は身に染みて感じ、以来私の習癖のようになった。

 手元資金を維持しておく大切さを説くと、企業経営と家計は一緒にならないと息子は家内の肩を持った。21と不利にになったのでさっさとつまらない口論を切り上げた。「実は私も駆け込み消費した。100円ショップでいつも愛用しているシュガーレス・キャンディーを2袋買った。3円節約した」というと、家内は嫌味を言われたと思い露骨に嫌な顔をした。実際その通りで、私は行きがけの駄賃みたいな子供じみた皮肉を言ってしまった。消費税の議論は我が家ではこれっきり。■

コメント
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