かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

波長が合わない日米首脳

2014-04-16 12:40:12 | 国際・政治

オバマ大統領が国賓として来週訪日し安倍首相と首脳会談に臨む。会談のテーマは軍事膨張を続け海洋権益の拡大を図る中国対応と沖縄基地移転問題、北朝鮮の核兵器、ウクライナ騒乱、TPPなど両首脳が話し合うべき喫緊で重要な問題が山積している。しかし、国賓として23日の日程になったのはケネディ大使の助言があったからと報じられている。ここに両国関係のむつかしさが象徴的に表れていると推測し、私の懸念を紹介したい。

私は安倍首相とオバマ大統領の波長が合わずギクシャクした関係にあり、スムーズに会談が進むか不安を感じている。例によって誤解を恐れず大胆に人物評をすると、安倍首相は用心深い原理主義者、オバマ大統領は無駄を省いて損得勘定で取引をする企業お抱えの弁護士であり、水と油までとは言わなくても二人は肝胆相照らすお友達にはなりそうもない。

 報じられたニュースから判断するに、私にはオバマ大統領の気質により問題があるように感じる。そもそも安倍首相が最初にホワイトハウスを訪れた時、必要性が無いからと記者会見で安倍首相をそっけなく扱い私はおやっと思った。安倍首相は恥をかかされたとまではいかなくても内心不愉快だったはずだと推測する。それ以降日米首脳の関係は何かとギクシャクしている。

 オバマは何が重要かハッキリした判断があって、それに基づきそのまま行動に移す。最も重要なのは明らかに急拡大する中国への対応だ。彼は今は必要なくともいざという時の為に同盟国の首脳と信頼関係を作りあげておくとかいう手間のかかることを省略する傾向がある。それが裏目に出たのは、シリア問題で振り上げた拳の降ろしどころがなくなった時、急に安倍首相に擦り寄り会談を求めて来たことがあった。安倍氏がその時どう感じたか容易に想像できる。

 内政でも同様の問題が何度かあった。その典型的な例は、債務上限を巡り共和党と対立し一部政府機関を閉鎖した時、オバマの演説は上手いが交渉は下手という限界が露呈された。Bウッドワード氏はベストセラー「政治の代償」の中でオバマは「友達が必要になって作ろうとする」、つまり必要ない時は友達はいないと指摘した。ホワイトハウス内では側近政治、外に出ると信頼できる友達がいないと多く人が指摘するところだ。

 一方、安倍首相は失敗に懲りて極めて用心深くなったものの、第1次内閣時代の政策を執拗に追及する姿勢を貫いている。中でも安全保障の領域では妥協する積りはない、ある種の原理主義の臭いが多くの人を不安にさせる。国民や相手国が今何を求めているかよりも、我が国が将来どうあらねばならないか信じるところを追求する人だ。個人的に中間選挙を睨んで点数を稼ぎたいオバマに都合よく合わせることはないだろう。判断の基準は唯一国益にかなうかどうかだ。

 この二人が相反する国益を乗り越えて浪花節的な関係を結ぶ可能性はなさそうだ。米国の影響力が低下してきた現在、特にスタッフを含めたオバマ政権全体の経験不足が事態を難しくしている様に思う。何とか成果を出してほしい、会談の行方を注目したい。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする