かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

天邪鬼・スコットランド独立

2014-09-18 12:24:59 | 国際・政治

 スコットランド独立の是非を問う住民投票が間もなく始まる。1000年にもわたる歴史的背景に培われたナショナリズムは揺るがせない事実だが、このところの独立運動は北海油田の利益が公平に地元に分配されないという経済的な動機が直接の原因になっていると報じられている。

 世界の多くの少数民族の分離独立運動も、地域のエネルギー資源などの経済的な配分の不満が背景になる。スコットランドの場合、北海油田が無かったらこれ程分離独立運動が盛り上がったか疑問だ。更にスコットランド内の少数民族が独立を求めたらどういう理屈で対応するのか。

 突き詰めると、ゲーテッド・コミュニティ(gated community)の発想に繋がると私は思う。町の名前は忘れたが米国のある自治体で、金持ちが固まって住む地域の住民たちが払った税金が貧しい地域に住む市民にのみ使われると反対して、住民投票で分割して自治体を作った。

 新しい自治体では市役所の機能は貧困対策などの社会保障を無くし、町全体を塀で囲み治安などの最低限の機能を効率的に実行するだけに絞ったらしい。住民は払った税金が自分たちの為に使われていると感じて満足していると報じられている。

 一方、塀の外に取り残された貧しい人達は社会保障の為に税金を払ってくれる市民が減って旧自治体は運営に困っているという。ネットで調べるとこのような町は米国だけではなく世界の国にあった。日本では貧富による差別よりも将来世代に借金を先送りする世代間差別が深刻だが。

 ゲーテッド・コミュニティの例は極端だし、スコットランドとは事情が違うかもしれない。だが、スコットランドの直接的な動機が北海油田であり、石原旧環境相じゃないけど、結局金目だと思う。イラクのクルド人やスペインのカタルーニャの独立運動も同じような経済問題が背景にある。

 住民投票が独立にイエスと出たら、英国はスコットランドの独立を認めるそうだ。経済的には厳しい処置をとると私は予測するが、当然ながら武力行為はしない。チベットやウィグル族の民族運動には極刑をもって臨む中国政府の非情なやり方とは随分違った対応になるのは救われる。■

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする