石破地方創生相は金沢市での講演で、「各地域が実情に応じて最適な支援を選択する仕組みを作る」とし、過去の反省に立って国が一律に公共事業を実施するようなやり方はしないと官僚に釘を刺した。
一方で、「やる気も知恵もないところはごめんなさいだ、そういう市長を選ぶところが悪い」と国の提案待ちで能力のない自治体首長や住民に自発的な取り組みをするよう求めた。
私は全くその通りだと思う。バランスの取れた常識的な指摘だ。実は大震災の復興でも同じことを感じていた。自らやる気もアイデアも出しさず被害者としての同情をかい、復興の遅れを国の責任と非難するだけでは却って復興の妨げになると。ここまでは正しい。
ただ、残念ながら地方創生問題は自治体単体が考えるべき範囲に収まっていないのが現実だ。私にはスタート地点が誤っていると思う。ボタンの掛け違えがある。地方の問題は突き詰めると如何にして人口流出を止めるかだと思う。問題は、先ず人口流出先の東京なのだ。
地方創生の問題の裏返しは東京の問題であり、地方と東京は人口のパイプでつながっている。人口の出し入れという観点では東京は極めて身勝手で非効率だ。日本全国各地から若者を吸い上げ、子供を産まれにくくし最低の出生率にし、日本全体の少子高齢化を推進している。
東京は人口のブラックホールになっている。この裏表の関係を同時に取り組まなければ解決が極めて困難だと私は考える。東京を何とかしなければ地方創生はならないと思う。舛添都知事は地方創生は自分の問題だとは考えていないと思う。
だが、都知事は地方創生の責任の一端を担っており、韓国や中国との外交関係改善よりはるかに重要だと認識すべきだと私は思う。石破大臣はまだどうだか分からない。いずれにしろ地方に残ったのは殆ど高齢者ばかりになるのはそれ程先ではない。■