朝食を終わらせ書斎に戻りパソコンを開いてネットをチェックしていると家内から電話があった。下の孫がベッドから落ちて足を折った、電話をかけて嫁さんを元気付けてやってくれと言う。勿論、二つ返事でオーケーして直ぐに電話した。
電話に出て来た彼女の声の調子はそんなに落ち込んだ感じはせず安心した。川の字で寝てるうちに赤ちゃんがベッドから落ち、翌日診て貰った小児科は単なる打撲だと言われた。しかし様子がおかしいので、大学病院に行き大腿骨が折れていること分かったという。
骨がくっつくまでに20日間かかると診察されたという。レントゲンでは骨が真横にパッキリ折れており、赤ちゃんは痛がらなかったのが骨折を見落とした一因だったようだ。それに小児科だしと、彼女は最初の誤診をかばった。
囲いのあるベビーベッドに寝かさなかったのは、赤ちゃんが寝つきが悪いので一緒に寝ていたのだという。「そうか、赤ちゃんはママに蹴っ飛ばされたんだな」と例によってデリカシーの無い悪い冗談を考える前に言ってしまって反省したが、彼女は思ったより元気に切り返した。
病院からの連絡を受けて区役所が事情を聴きに来ると彼女は言った。最近児童虐待のニュースが良くあるから驚きはしなかった。「区役所はDVかどうかチェックしに来るんだ、役所のシステムが機能しているようだ」と言うと彼女の夫も同じことを言ったと言う。やっぱり親子だ。
私は調子に乗って彼女を「DVかーさん」呼ばわりし、「月末に東京に戻るから美味しいもの食べに行こう」と元気付けた。娘や家内にはいつもデリカシーが無いと言われるが、嫁さんとは妙に気が合う気がする。気がするだけで本当は傷ついているのかもしれないのだが。もしそうだったらゴメン、「DVかーさん」。■