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改造内閣支持率上昇の危うさ

2014-09-05 22:59:45 | 国際・政治

 安倍政権の内閣改造後の支持率が11ポイント改善して60%になったと報じられた(日本経済新聞9/5)。内閣改造だけで支持率が大きく動くのはいつものことだが、世論調査の詳細を読むといつもと少し違う。端的に言うと従来安倍内閣に厳しい評価をしていた女性の支持が大幅に増えて支持率が上がったということだ。

 誤解を恐れずに言うとこの結果は信用できない。今回の女性の支持率変化は情緒的で変わり易いタイプだと感じる。何故か、改造内閣はまだ何も成し遂げていない、謂わば支持率は期待値だ。女性は期待値を上げ男性はスルーしたといえる。どんな政策が女性の琴線に触れ期待値が高まったのか。彼女達の評価は1)女性が輝く社会の魁として史上最多の女性閣僚を任命、2)リベラル派の党幹部任命、3)石破氏を地方創生担当大臣に任命、あたりにあったと思われる。

 だが、そもそも最近の安倍内閣支持率低下の主要原因は、1)消費税導入の決定、2)集団的自衛権に関わる憲法解釈変更の閣議決定などであり、女性の支持率が減ったためだ。何のことは無い内閣改造の支持率アップは、実は元に戻っただけだ。第2次安倍内閣の重要課題は1)消費税10%導入の判断、2)社会保障改革、3)原発の再稼働、4)岩盤規制の緩和・改革などであり、その多くが女性がより敏感に反応するアジェンダである。

 安倍政権が重要課題に真面目に取り組めば取り組むほど、内閣改造で上昇した女性の支持率は失われると私は予想する。失礼ながら今回の支持率アップはどうせその程度の情緒的な反応である。第2次安倍内閣の布陣で重要課題に上手く取り組めるか(もちろんそれが安倍首相の狙いだが)は、この女性浮動票がカギを握っている様に私は感じる。

 彼女達はマスコミ報道の影響が大きい。そうすると政府のマスコミ対策が極めて重要になる。これが私の「あえて穿った見方の第2次安倍内閣評」だ。重要課題に真正面から取り組むと既得権益層だけでなく国民全体に痛みを強いることになる。特に女性は痛みに強く反応する。大義より目の前の生活だ。誤解を恐れず大胆に予測すると、第2次安倍内閣の重要課題は女性票が痛み止めを求め中途半端な結果に終わる可能性がある。

 最後に一言、私は決して女性蔑視主義者ではない。報道された世論調査結果のデータ(事実)を分析して得た推測を紹介しただけだ。偏見を捨てて冷静に見る訓練が出来ていると思う(願う)。90年代米国で仕事した時既に女性マネージャが活躍していた。彼女達と一緒に働き、概ね優秀だった記憶がある。部下が男性優位主義者(メイル・シュービニスト)だと訴えられ人事と対応したことも何度かある。個人的に女性は好きだし。■

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