かぶれの世界(新)

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的外れなトランプ暴言批評

2015-12-20 12:16:49 | ニュース
今朝も嫌いなテレビ番組「サンデーモーニング」を見てコメンテーターを酷評しながら朝食をとった。今日のヘッドラインは米国大統領予備選の有力候補トランプ氏の暴言問題だった。私も以前投稿したがトランプ氏の暴言もさることながら、彼を支持する人達が少数派でないことが一番の問題だ。今日のメインコメンテーターの姜尚中氏はトランプ氏の暴言をナチの例をあげてデマゴーグだと決めつけた。彼の指摘は的外れと私は思う。

姜氏はデマゴーグの3つの特徴として①反知性、②敵を作る、③プロパガンダであり、単純なことを繰り返し人を不安にし恐怖を与えると解説した。先生らしく偉そうで至極尤もに聞こえる。しかし、ここまでは教室での教科書的論だ。米国やフランス国民は現にテロに襲われ普通の人が命を失い普通の生活が脅かされているのだ。決定的な誤りはそれに応えてないことだ。

デマゴーグは「意図的に嘘をついて人を扇動する」ことを言う。トランプは市民が不安に駆られている現実を受け止めて(利用して)、建国の精神に反する極端な提案をしたのであり虚偽の情報を流した訳ではない。姜氏のコメントは国民が不安のどん底にいる現実をしっかり認識した発言と言うより、書斎の中で頭を働かしただけの発言に聞こえる。その手の知識人は尤もらしく言うのが上手い。

姜氏が指摘した上記の3つの特徴は皮肉なことに安保法制に反対した人達の姿を思い出した。彼等は安保法制を戦争法案と決めつけ、戦争反対と連呼しながら行進するという、極めて反知性的な運動だった。彼等はトランプ氏とは逆だが、東シナ海等での中国の脅威を国民の80%が感じている(外務省調べ)という現実を黙殺した行動をとった。やったことは真逆だが、発想の単純さは相通ずる。

現実をキチンと認識しているか、認識しても的確な対応をとるのか、為政者は難しい決断を迫られる。海岸に流れ着いた幼児の死体を見て世界の人々はショックを受け難民受け入れの声が高まり、パリのテロ事件で一転して難民受け入れに反対する極右が台頭した。そんな中で大量の難民受け入れを決断したメルケル独首相は悩みながら信念を守る、・・・みたいな真摯さを民放のニュース番組に求めるのはしょせん無理な話か。■
コメント
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