かぶれの世界(新)

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最悪な国民投票

2016-10-03 17:27:17 | ニュース
3ヵ月余り前に英国民は国民投票でEU離脱という愚かな結果を出し世界を揺るがし、いまだに欧州発の不安定要素になっている。私は「これも民主主義。バカを煽ると常識が通用しないアホな結果を招く。英国も例外ではなかった」と酷評した。ということは、英国以外でも起こらないはずがない。果してその通りになった。

昨日のハンガリーの国民投票は投票数が不足ながらEUの難民政策に反対する結果となった。そして今朝米国から入って来たニュース速報では、南米コロンビアの国民投票で政府と左翼ゲリラ(FARC)が結んだ画期的な和平合意に反対する結果となった。

英国同様にハンガリー国民はEU統合の基本精神に反対した。端的に言えば経済的なメリットだけを求めて、メルケル首相のいうEUの「いいとこどり」をした恥ずかしい結果を出したと私は思う(勿論、他の東欧諸国と同様にロシアの脅威に対する安全保障の意味合いもある)。だが、政権はこの結果を利用して反EUキャンペーンを強化する積りのようだ。

一方、コロンビア国民の国民投票における和平合意反対の結果は、半世紀にわたる左翼ゲリラのテロ行為に対する強い憎しみの現れだと言われている。国民はまだ内戦の傷が癒えてない、生々しい痛みを抱えていた。彼等の憎しみを英国やハンガリーの国民投票と同じレベルで議論できるものではない。

各国夫々の事情があるとしても、国民投票は結果として多くの苦難を乗り越えて営々として築き上げた成果に危機をもたらした。目先の感情や損得がもたらした結果が、何年にもわたる長期的な苦しみの元になる。怒りをコントロールすることの難しさ、リーダーが怒りを煽ったら何が起こるか、冷静な判断が出来るか、よくよく考えなければならない。

米国大統領選は全国民が選挙民を選ぶが、これもある種の国民投票だ。トランプ候補のキャンペーンは怒りを煽るという点で同じ手口を使っている様に私は思う。トランプ候補の暴言はあらゆるメディアや識者の非難を浴びたが、そもそも彼のコアな支持者は新聞等の論評を読み理屈で理解できる人達ではない。同じ結果にならないことを祈りたい。■
コメント
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