かぶれの世界(新)

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ご近所農業事情

2016-10-30 22:23:57 | 社会・経済
いつもの様に義弟と馴染みのカフェに行った。今日はお店でライスカレーを頂いて昼食も済ませ、いつもより時間節約した。私は例によって女性グループにちょっかいを入れ、いつもの様に義弟に呆れたと言わせた。彼はお店が満席になっているのを始めて見たという。内子町が全国放送で紹介されたせいかもしれない。マスターは外国人のお客、特にフランス人が増えたそうだ。馴染みのお店の人気が出るのは嬉しかった。

本記事のテーマは実はこれから始まる。義弟の車で送ってもらい表通りから実家に歩いて戻る途中、大きな農機具を格納庫にしまっている隣の農夫に声をかけた。最近の機械は稲刈りから脱穀まで同時にやってしまうので昔見た機械より一回り大きい。彼は1年の稼働日数は10日もない、しかし中古機でも350万円したという。

そこまでは普通の会話だったが、時折話題になる小泉進次郎氏の農業改革について聞くと彼の話は一気にヒートアップした。私も興味を持って新聞記事は必ず読むようにしていたので状況は理解していた積りだった。彼はこの地でも小泉氏の指摘通りのことが起こっており、口を極めて農協非難を展開した。

彼の話は新聞報道の通りで、農家から調達する農機具や飼料、肥料はバカ高いのだそうだ。例えば彼が勤めた会社が提供するプロパンガスに比べて、農協が提供する養豚用暖房の為のプロパンガス(電気は乾燥するので使えない)は5倍も高いのだそうだ。多くの農家の人は農協でお金を借りて機械や肥料を買う、割高と知らない人もいるが知ってても農協以外の選択が無いのだそうだ。

作ったお米などの農作物も農協は安い値段でしか買ってくれない。特に彼が強調したのは農協が買うコメの値段だと、兼業農家の会社勤め1週間の給料で1年分のお米が買えるという件だった。米だけではない。天候不純で野菜が一瞬高くなったが、3日も経たず他の地域から大量の安価な野菜が市場に流れ元の安い価格に戻るという。この地の野菜は調整に使われただけらしい。

彼は農家向けの仕事をやってそういう事情を知っていたので、会社を定年退職後は農協を通さず直で機械や肥料を買い、農作物を個人向けに売って農業を続けているという。農協経由で農業をやって借金を返せず田畑を没収され、農協所有の土地を借りて農業を続ける農家の例が増えているという。

こんな状況で農家の跡継ぎなどいるはずもなく、彼が見る限り10年も経たず近隣の農家は全滅する可能性もあるという。私も畑仕事をしている若者など見たことが無い。この地の農業は私が考えていたより遥かに深刻な状況にある、しかし農協も市役所も何ら適切な手を打ってないという。

彼の父親が元気だった頃(40-50年前頃か)の農協はそうではなかったという。高度成長時代頃ではないかと思ったがよく分からない。その頃は農協は農家に寄り添って仕事をしたという。何時、どうしてそうなったのか聞くと彼も明確な返事が返ってこなかった。小泉氏が最後までやりきれるか保証はないが、やっていることは正しい、是非やり抜いて欲しいと言って別れた。■
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