かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

限界集落の個別事情

2018-09-01 21:46:54 | 社会・経済
何時もの散歩の帰りに見慣れない組み合わせの立ち話の輪を見つけた。馴染みの長老と離婚後に息子と母親の三世代で住む四十路のやり手の農夫、床下浸水後実家住いの奥さんという、私から見ればあり得ない組み合わせだった。勿論、ためらわず会話の中に入って行った。

近い将来に集落が迎えるであろう暗い話題に移り、最早老年といった年恰好になった独身男性兄弟の件は私も気になっており話に食いついた。近年両親が不幸な事故で相次いで亡くなり、このまま二人が年老いていくとこの家は確実に消滅する。集落の人達は全員この事情を理解し心配している。

本件は今迄に何度か記事を投稿したが、兄は新職場にうまく溶け込めず精神的に参り十数年来仕事をしてない。弟は軽い身障者で同じ頃に都会の仕事を止めて田舎に戻り地道に仕事を続けている。二人とも独身で常識的には結婚する年令を過ぎてしまった。

兄は依然全く仕事をしておらず、事情を知る長老によると将来も良くならないという。父親が買い集めた田畑を切り売りして糊塗を凌いでいるらしい。私も十数年母が介護施設にお世話になった頃に了解を得て年貢対象だった三角地の権利を50万円で父親に譲渡した。今は逆みたいだ。

この兄弟に関しては集落の人は助けようがないと思っているようだ。他にもう少し若い一人住いの中年独身男性がいる。彼は働き者だが独身で結婚する気がない。だが、何故か集落の中に心配する声が聞こえないのが不思議だ。彼は心を病んでいる訳ではなく、近くに兄夫婦がいるからかも知れない。

私は別に気になることがあった。話の輪の一人のバツイチ男性だ。彼は三世代一緒に住んでいるが、実は20歳そこそこの若い女性とも同居していた。実家はバカに広く、母親も諦めて認めていた。ところが別れたという。彼は父親譲りの見かけも気っぷも男前で、女性に全く不自由してないと平気な顔していた。彼は仕事もやり手でかなり遠方まで手を伸ばして農地(女も)を拡げているという。

そして私は年に半分都会から帰って来るだけで、実家や山林田畑を将来どうするのかさっぱり分からない。多分、私が話の輪に加わるまでは話題になっていたに違いない。こんな具合で実家のある集落は典型的な限界集落だが、夫々に異なる事情を抱えており一律には語れないのだ。■
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする