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ロシア軍のウクライナ侵攻に思う(8)イタリア、いたの?

2022-05-19 14:45:20 | 国際・政治
ロシアのウクライナ侵攻対応において、イタリアの存在感が高まりEU内勢力バランスに影響を及ぼそうとしていると、昨日の日本経済新聞でFTの編集員シャサニー女史は指摘している。えっ、イタリア?聞いてないよ。多分、日本メディアもそれ程視野は広くないと思う。

ドイツの方針転換は繰り返し報じられていた。それが欧州や世界でどう見られていたのか興味があったが、この記事を読んで少しだけ分かったような気がした。支援を求めたウクライナイに、当初ドイツがヘルメットを送ると答え笑いものになり、慌てて戦車を送る決定をしたのは記憶に新しい。

だが、その時イタリアのドラギ首相がどう反応したのか私は知らなかった。記事によるとこうだ。

「EUの対ロシア制裁についてはより厳しい措置を取るべきだとし、ロシア政府に流れ込む天然ガス収入を減らすために価格上限を設定することを提案した」、言い換えると「 ドラギ氏がこの危機においてEUが果たすべき役割を大局的に分析、実行に移そうとしているのに対して、ショルツ氏は現状をうまく乗り切ろうとした」という。

私の理解では以前からイタリアはロシアと密な経済関係を結んできた、EU内でも目立って親ロ派国だったと思う。だが、74歳のドラギ氏は前欧州中央銀行総裁で首相再選願望がなく、支持率への影響より自らの信じるEUのあるべき姿を大局的に判断し実行に移す様提案したという。

現実は民主主義国が如何に選挙の為に政策が捻じ曲げるか世界中で見られる。積極支援をしている英米でも否定できない。日本でも与野党ともに支持率を高めるためなら何でもする政策は優柔不断そのものだ。そんな中で国内の政治情勢の「制約から解放された男」ドラギ氏はあるべき姿を貫き、EU内で最大の経済規模で影響力を持つドイツより存在感が高まっているという。

私にとってこのFTから転載されたコラム記事は目を洗われる思いであった。果たしてシャサニー氏の見方がEU内外の多くの人々に共有されているか分からない。日本のマスコミは連日ウクライナ戦争を詳細に報じるのに、ドラギ氏のことを報じないのは少数意見とみているからだろうか。

私的には、データに基づき大局的な見方をする日経に対し、個別情報を掬い上げてそれでもって全体を評価するケースがみられる朝日は視野が狭い、と批判する。だが、ドラギ氏のとらわれない発想であるべき姿を追及する姿勢はそんな単純な見方ではないと考え直させられた。たまにはそれもありだと。

蛇足だが私の三大懸案事項はウクライナ戦争状況、日本医療の機能不全、私的な投資資産の状況だ。情報源は新聞テレビ報道及び主に米英のネット情報から情勢判断している。当然ながら情報源には夫々特有の偏りがあり、私固有の天邪鬼な考えとかけ合わせて自分の意見がまとまる。

情報源のうち私の考えに最も近いのが客観的なデータを基に報じる日本経済新聞で、それと対極に朝日新聞を位置付け、ネット情報を補足して自分の考えを整理する。その中で今日の日本経済新聞のコラム「中外時評」における日本医療の問題と、ファイナンシャルタイムズ(FT)の転載記事は懸案事項を理解する上でとても役に立った。投資資産の暴落はショックだったが。■
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