かぶれの世界(新)

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世界にはびこる独裁・強権国

2022-05-12 16:26:45 | 国際・政治
フィリピン大統領選で独裁者にて元大統領を父に持つマルコス氏が当選したとのニュースを聞いて驚いた。正直言うと事前の世論調査でもマルコス氏が圧倒的にリードと聞いていたので、「ああ、やっぱりか」という失望の気持ちだった。あるコラムニストは世界は変わったと投稿した。私も。

父親は独裁体制を敷き3000人以上殺害、利益誘導・汚職をまん延させ1兆円以上を蓄財した。1986年に国民が立ち上がって暗黒時代を独裁者を国から放逐した。だが、その息子が国に残って知事や上院議員を務め遂に大統領になった。私には「なってしまった」という印象だ。

失礼ながら「フィリピン国民は記憶力がないのか」と思わずにはいられなかった。まだ40年もたってないというのに。新大統領は地方の若者の支持が高い一方で、60代以上は対立候補を支持したと報じられた。多分、教育や報道の方が記憶喪失症にかかっていたのかもしれない。

では彼等若者はどんな政策を支持したのか。マルコス氏は「団結」を訴えたものの、候補者討論会には1度も参加せず、肝心の政策も断片的に語った程度だと報じられた。それでは何が決め手だったのか、彼はSNSで若者向けの情報発信して父親の不都合な真実を塗り替る一方で、魅力的な経済政策を展開したという。

待てよ、これって何度も聞いた選挙シナリオだ。選挙民へどれだけ魅力的に訴えるか、嘘かホントかではない、その為に効果的な道具建てを徹底的に活用する。それだけでは不十分なら、メディアに圧力をかけ不都合な真実を潰す。これって、フィリピンだけじゃないだろう。現にプーチンがやってることだ。だが、プーチンだけじゃない。

偉そうには言えない。自由の国アメリカでもトランプ元大統領もフルに活用した。中国や北朝鮮では国家ぐるみでやってる。NATOに加盟しているハンガリーやトルコも反対勢力に対して強権的な圧力をかけている。「アラブの春」はSNSが大きな役割を果たしたと言われたが、いつの間にか使いようで強権政治の道具にもなった。

実際に世の中はどうだろうか。最近の米メディによると、一昨年銃による死者は2万人を超え、薬物過剰摂取の死者は108,000人近くになったという。大騒ぎで報じられるウクライナ戦争の死者数を遥かに超える被害者数だ。一方物価高に苦しむ米国民はバイデン大統領を40%そこそこしか支持してない。救いは、マスコミは何でも報じられる。

こういう矛盾の中で暮らす人々の支持を得る為に、SNSは強権的な独裁者でも都合の良い情報だけを流す最強の道具になった。周りにいれば目的を変えて金儲けにもなる。国民は日々の生活の為に自由とか民主主義とか言ってられない。彼等を馬鹿だと言ってしまえば終わりだ、しかし放っておけば世界中に独裁・強権国がはびこる。残念ながら現実はそういう世の中に徐々に変わりつつある。■
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