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ロシア軍のウクライナ侵攻に思う(9)中国は道を誤った

2022-05-28 20:48:14 | 国際・政治
ウクライナ戦争は誰もが予想しなかった3か月目に入った。下手を打ったロシア軍、手強かったウクライナ軍、意外に効果が出ない経済制裁などが戦争を長引かせている。開戦当初は予測できなかった原因は今になって夫々に解説されている。ロシア国民の声に統一感がないのは想定外だが。

だが、当事国に後ろに控える二つの影の主役の米国と中国の対照的な動きも想定外だ。戦争が始まって1カ月弱の時に「世界は中国の出方を凝視している、中国の対応により戦後の世界が決まる」と私は予測した(3/20)。中国は利に敏感に対応するとみた。なので戦争の長期化に困惑しているという見方があるが、最近も国連安保理で中国は明確にロシア側にいると世界に示した。

ウクライナ戦争の3カ月目にして中国の未来は決まったと私は考える。即ち、ゼロコロナ対応と相俟って特に中国経済の魅力は傷つき、それに対して適切な手を打たない習政権に対する失望が中国の見方を後戻りできない程変えてしまった。

それは自由と民主主義という価値観ではなく、世界に国々を惹き付けて来た中国の経済的な魅力だ。中国社会と密に接する世界企業はウクライナ戦争以前から中国がどう変わったかずっと見てきた。ロシアから世界企業が撤退する裏で中国でのビジネスの見方も静かに変わっていると聞こえて来る。

正にそれが私が本記事を書く気になった理由だ。世界大企業は以下のような見方に変わりつつある。ウクライナ戦争の状況を見てロシアを非難しない中国は、いつかは西側諸国と軍事的な対立が発生するリスクを現実のものとして受け止め始めた。手遅れになる前に手を打とうという考えだ。

1)中国は世界企業にとって魅力的でなくなった。従来のバラ色のビジネス機会は期待できない。
  不動産不況やゼロコロナ政策が中国の経済政策の未熟さを露呈した。 
2)ロシアから撤退した世界企業が、中国でも同じ様に進出中止か静かに撤退する検討を始めた。
  今迄のウィグル族弾圧の問題から、中国全体の人権問題に関わる問題に発展する恐れだ。
3)中国に出入国する社員への負担・安全・効率等問題が投資判断を左右するリスクを予想した。

中国在住の外国人は既にこのような問題を体感し、中国でビジネス展開する世界企業に伝わっている模様だ。私は日本企業はこの手のリスクに対する対応が後追いになり大きな損失を被ったケースを何度か見て来た。早すぎてもダメだし、難しい判断であることは間違いないのだが。

蛇足だが、ウクライナは歴史的に有名な「勇敢なコサック兵」の子孫だという。ウクライナ侵攻が始まって以来マスコミ報道もなく、私の情報網にも全くなかった。今や世界から称賛されている。では万が一の時、日本兵はサムライ或いは特攻兵の子孫として戦うだろうか。自ら立ち上がって粘り強く戦い世界から支援を受けられるだろうか。

私の経験では戦後日本の教育にはそんなものは全くなかった。今も自国の安全保障をアメリカに頼っている。逆に中国にはそんな勇敢な兵はいるのか、私は疑わしいと思う。その代わり歴史的に有名な戦略家は沢山いたが。この記事のポイントは、今の中国は道を誤ったと指摘することだ。■
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