かぶれの世界(新)

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田舎暮し雑感10秋

2010-09-21 23:08:17 | 日記・エッセイ・コラム

田舎に向かう昨日午後の羽田-松山便は満席だった。子連れや女性客が多く、いつもよりビジネス客が少なく感じた。好みの飲み物を聞かれコーヒーと答えると、4月から有料になったそうだ。ヘッドフォーンも前のポケットに無く、“available on request”となっていた。90年代の米国内のフライトは既にサービスの有料化が進んでいた。ついに日本にも来たかと言う感じだ。

松山空港に降り立つと、もう4時過ぎなのに東京より強い日差しを感じた。バスと汽車を乗り継いで実家のある大洲駅でタクシーを拾った。ひとしきり今夏の暑さについて語り合った後、雨が降らないので今年は水量が少ないらしいねと水を向けると、運転手は鮎が沢山捕れたと言った。昔父が擬餌針で鮎を釣っていたというと、今は投網だということだ。

多摩川で外来魚が急増していると言うと、当地の川でもブラックバスが増えていると彼は言う。こんな田舎でペットの放魚が問題なのかと聞くと、鮎の稚魚を琵琶湖から持ってくる時、ブラックバスが紛れ込むからだという。モロコは殆ど見かけなくなり、ハヤも少なくなったと言う。鯉は天敵(人間)がおらず増えているのだが。

実家に着くと庭や家庭菜園は背丈より高い大草が蔓延り、玄関に続く砂利を敷いた庭にも背の高い雑草がぽつぽつと生えている。一瞬廃墟かと見まがう酷い状態だ。鍵を開けて玄関に入ると角にクモの巣が張って気持ちが悪い。

もう夕方だったが表と裏の雨戸を開け、風通しを良くした。台所の水場のタイルにはカビが生えて灰色の縞模様みたいだった。2階の書斎や寝室も何だか湿っぽい、だが我慢して寝るしかない。たった3ヶ月の留守だったが、今夏の異常高温が家の外も中も人が住む環境としては酷く劣化した。

今日は母が入院した病院に行き、容態が回復に向かっていることを確認した。明日からは、先ず家の中を快適な食住環境に戻すことを優先し、次に家の周りのお風呂と庭や家庭菜園の手入れをする。お墓や田畑の手入れはその後だ。母が病弱だと言っても、今までは実家に戻れば快適な環境が保たれていた。母が居ると居ないでは大違いだと思った。■

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メディアの情報格差と階級意識(仮説)

2010-09-20 00:23:40 | ニュース

民主党代表選は興味深い展開で、何度も取り上げたようにブログ記事のネタの宝庫だった。朝6時過ぎに目が覚めると布団の中でラジオのニュースを聴いた。1時間余り経つと起きだし9時前まで、食事をしながら新聞とニュースショーを見た。

その後ゴミ捨てや洗濯物を干すとパソコンを立ち上げ内外のニュース速報とマーケット動向を確認した。そのあと外出しなければ昼食と夕食時に定時ニュース、最後に寝る前にニュースを見るのがルーチンだった。

勿論ニュースの内容によってスキップするし、逆に気になることはネットで検索マシンを使い詳細を調べた。この間円高が進み株価低迷が気になったが、意外に欧米の状況が悪くなかったのには救われた。ともあれ代表選とその前後はこの権力闘争に半分以上の時間を使った。

菅代表が圧勝し党・内閣人事の主要部分が決定するところまで来て、為替介入など具体的政策が動き始めた。こんなに時間を使って政局を追いかけたのは初めてで、その結果今まで気がつかなかったメディアの報道傾向の違いが妙に気になり始めた。今までは例えば朝日と読売の違いだが、今度は紙と電波とネットの違いだ。

というのはテレビに出て来るいわゆる評論家の多くは、小沢氏の「政治と金」の問題は検察が起訴しないと最終決定した、いわば「推定無罪」である。世論が小沢氏に厳しいのは検察のリークを流し続けた報道のせいだと、世論の支持率調査が出るたびに彼等は指摘した。NHKを除くラジオのコメンテーターも大体同じ論調で、視聴者の声も小沢支持のほうが多かったと思う。

私は代表戦の終盤でこれらテレビ・ラジオがこれら評論家の声をメインに流すのを聞いて、てっきり小沢氏が巻き返したのではないかと思った。ネット世論と世論の乖離については前々から注目していたので驚かなかったのだが。選挙後も彼等は小沢氏の影響を言い続けている。私には、この評論家達と世論のギャップについては新鮮で、何故そうなったのか大変興味が湧いた。

根拠が無いのだが、私の仮説を紹介したい。検察のリークが限られた現場の記者にのみ流され、これら評論家達は蚊帳の外にあった。経験から言うと情報から疎外された者は、多くの場合情報源に対して反発しアンチになる。情報格差が生んだ検察批判と世論がミスリードされたとの指摘であるように感じる。加えて、記者クラブのメンバーかどうかで生じる情報格差もあるように感じる。

もう一つはメディアの中で一流は新聞、二流テレビ、三流ラジオという階級意識があり、一流の報道に対する二流階級の反発があるのではないかという疑いだ。報道という点では新聞記者が記事を書く教育を徹底的に叩き込まれ、現在もそれを実行しているのは間違いないと思われる。何百万という読者が相手にしているという意識が一流意識を生むはずだ。

テレビは知名度はあるが報道という観点では素人が参画し、目先の視聴率で存続が左右される弱みがある。それでも国民の数パーセントから二桁の人が見る。だが、ラジオの視聴者はコンマ以下のニッチの世界といっても良い。あるラジオ局の朝の番組は、発信する側もそれに応える視聴者の声も、驚いたことにネット世論とほぼ同様の反応をした。他の番組も同じ傾向だった。

劣等感とはいわなくとも、メインストリームに対する違いを出して存在理由を示そうとする姿勢が普段から養われた結果かもしれないと思う。或いはそういう視聴者が多い結果かも知れない。とにかく、代表選中にこれらテレビ・ラジオ報道に接し、私には小沢氏に傾斜した評論が多く感じた。にもかかわらず、毎週末の世論調査は菅氏の支持率が圧倒的に多かった。

私にはテレビ・ラジオの評論家の主張と世論の乖離の理由がまだ良く分からない。上記の理由はまだ十分でなく説得力に欠けるのは認める。だが私の浅知恵ではこの程度の推測しかできない。それとも、全く別の理由だろうか。ということで、とりあえずカッコつきの仮説とさせて頂いた。■

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円高ってそんなに悪いこと (補足)

2010-09-17 14:18:59 | 社会・経済

Zaoさん、コメント有難う御座います。私の趣旨を明確にする為に、少し長くなりますが本文の補足で返事申し上げます。

円高の痛みを直に感じておられる方には、私の考えに違和感があっても当然だと思います。私も痛み止めは必要と考えます。しかし、円高でやっていける構造転換をやらなければいけない、その為に残された時間は少ないというのが私の本旨でした。

その背景は長期的に円高趨勢が止められないというのが私の考えです。今後も時々の出来事に反応してアップダウンしながら、少なくとも今後10年はドルが売られ円は上昇していくだろうと予測します。それはニクソンショック以来過去40年間、そして少なくとも今後10年間は続くトレンドで、その後の日本は今何をやるかで決まると私は考えています。

従来円高には補助金と市場介入の言わば痛み止めで対応して来ましたが、モルヒネの効き目が弱まってきています。しかも、痛みは止めても何も生みませんでした。ヘッジファンドやFX取引の参入で通貨取引市場規模が倍増し、更に欧米の協力なしには狙った効果が得られにくくなっています。加えて、競争相手がかつての欧米からアジア等の新興国に変わり、世界経済に占める日本の割合が半減し介入資金が続かないと見ます。

残された猶予期間は現状の財政赤字と社会保障費が毎年1兆円増と考えて、10年位が限界と予測します。それまでに物づくりに加えて競争力があり雇用を生む新たな産業の柱を作らなければ、生活レベルを下げ社会保障の質を落とす事態に陥る恐れがあると考えるからです。日本のお家芸だった物づくりは、新興国に追い上げられ一部中韓台などに逆転されつつあるのが現状です。

産業の柱を1本でも2本でも新しく立上げるには10年かかる(運がよくとも)。その移行期間の痛み止めは必要最低限にし、新たな柱作りに残された財源を投入すべきだと訴えたかった訳です。財源を何に使うかについては現状のポピュリズム政治では難しいし、国民は益々我慢が出来なくなっているように感じます。

どうやっても移行期間の痛みは出るし、それを嫌い日本は変わることが出来ないと日本を知る海外の識者はみております。選択肢は一つではない。一度破綻し国家の優先順位を徹底見直してV字回復した韓国型か、痛みを抱えながら自ら思い切って外科手術した英国型か。私は変わることが出来ず破綻直前まで行くが、誇り高い日本人は最後に自ら行く道を決めると思っています。■

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円高ってそんなに悪いことか

2010-09-16 14:40:32 | 社会・経済

菅総理が民主党代表選で再選された翌日、政府・日銀は東京外為市場で2003年以来の円売り介入を実施、続けてロンドン・ニューヨーク市場でも介入した。介入に慎重と見られていた菅政権の再選直後だけにサプライズと受取られ、今朝方もドル85円台半ばで推移し効果があったといえる。

出に依存する経済界はこぞってこの為替介入を歓迎していると報じられたが、効果は一時的で今後の見通しは不透明と内外の識者は見ている。中国の為替操作を非難してきた米国の反応は微妙、議会は非難しても政府は菅政権との関係を配慮して静観する姿勢を保つと私は予測する。

これまで円高が進行すると政・財とメディアはあげて危機感をあおり、可及的速やかに円高対策をと迫る。だが、私は円の価値が上がるのが何故一方的に問題なのかいつも疑問に思う。勿論、輸出産業にとって円高は死活的だ。今後、更なる海外シフトの展開は避けられないだろう。

私自身2000年のITバブル崩壊時と同時に円高のダブルパンチで担当事業がひどい損失を出した経験がある。95年に米国に赴任したのも円が歴史的最高値(ドル79円台)になったからに他ならない。だが、物事には光と影がある。輸出があれば輸入がある。売りがあれば買がある。

具体的には日本は内需の国だということだ。各国の輸出依存度は米国12.6%、日本18.2%だが、韓国54.8%、独47.9%、中国36.6%であり世界平均は32.3(朝日新聞9/15)である。勿論、我国には間接的に輸出に依存する産業も多く、輸出に無関係の競争力の無い産業にまで輸出で得た資金が還流して成り立つ、輸出が支える産業構造の現実もある。

だが、一方で1500兆円といわれる個人資産はドルベースに換算すると、何もしないで150兆円相当の価値が増えたことになる。同じように、リーマンショック後投資を控え急増した企業保有の現金(5800億ドル9/14NYタイムズ)を金庫に眠らせている間に、1割増えた。「これって、凄くない!?」

高は絶好の投資機会である。この円高で自動的に増えたいわば「つかみ金」は、円以外の通貨で使わなければ効果が無い。となれば思いつくのは海外旅行や外貨預金でもしなければ円高の恩恵を受けられないのだろうか。実はそうではないことを14日付のNYタイムズは、日本企業が強い円を背景に海外で買収攻勢をかけていると伝えている。

同紙の記事はNTTの南アのネットワーク企業買収、7-11親会社の米国ケーシー買収提案、楽天の米国ネット販売企業の買収を紹介し、年初来買収額合計270億ドルに達し既に昨年実績を超えたと紹介している。更にソフトバンクのシリコンバレー企業への増資や、三井物産の海外資源への巨額な投資を伝えている。

強い円を利用して買収する日本のバーゲニングパワーを警戒するニュアンスを感じた。このトレンドをシステム的にもっと強めれば、円高を嫌がる国が増えそうだなという印象を受けた。換言すると、今までの円高対策が円売り介入や弱い国内産業の補助だけでは何も解決しないと。

円高以外にも世界的なトレンドで何かその時の我国の仕組上都合の悪いことが起こると、その国内の仕組から利便を受けられないことへの危機と対策(支援)の声ばかりが聞かれる気がする。変化を嫌う気質、悪く言えば被害者根性だ。

今回政府が説明するように急激な円高は短期対策として痛み止めの対応が必要だ。だが、変化を受け止めそこからビジネスチャンスを嗅ぎ取り新しい産業を作り出していかない限り、円高危機は何度も繰り返す。もうそろそろ円高危機は卒業すべきだとつくづく思う。■

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(考察)民主党代表選の結果

2010-09-15 12:37:33 | 国際・政治

首相選出プロセスとしては合格

菅首相を再選した民主党代表選は近年にない関心を呼んだ。都心の演説会には多くの人が集まり耳を傾け広場が熱気で包まれた。選挙結果を見るため街角のテレビに人だかりができた。代表選が次期首相を選ぶプロセスであったこと、2週間にわたる選挙戦が白熱したのも一因だ。だが、国民の真の関心は小沢氏を首相に選んでよいのかどうかの判断を迫られたからである。

事前の世論調査では一貫して圧倒的にアンチ小沢であり、結局その通りの結果になった。民主党の代表選が国民の意思を反映した結果となったことは、先ずは首相を選ぶプロセスとして評価できる。逆の結果になれば、国民の意に反した首相の烙印が押され、正統性を失った小沢民主党内閣は困難な政権運営を迫られ、国民にとって不幸なことになったろう。

具体的政策の議論が不十分だったという指摘はあるものの、2週間あれば両候補の政策上の争点が明らかになった。小沢氏の主張するマニフェスト順守と無駄の徹底排除・基地問題の見直し方針が、選挙戦が進むに連れ意外に具体性に欠け一部失望をかった。それが菅首相の曖昧だけど現実的な政策、財政規律重視のマニフェスト実行や日米合意順守を上回れなかった。

小沢氏のイメチェン成功か?

昨日「汚名ロンダリング」で書いたように選挙期間中に小沢氏のイメージが随分変わったように感じたが、私の予想に反して民主党の党員・サポーターは世論調査のコピーのような結果を出した。石原都知事は永田町の常識と世論のギャップを鋭く指摘したが、私も痛い所を突かれた感じだ。私もテレビの影響をかなり受けた可能性はある。

民主党議員に世論との乖離を反省する言葉が聞かれなかったのは少し気になる。何も言わないが、心の中では思うところがかなりあると思う。というのは、次の選挙で再選されるかどうかが多くの議員の最大関心事であり、世論に反して勝つことの難しさを今回痛感したはずだ。

代表選直後からの報道は、小沢氏及び小沢グループの人事上の処遇に集中している。依然として話題の中心に小沢氏がいる。良くも悪くもこの報道姿勢が結果的に小沢氏の影響力を保ち、政治生命を延ばすことになるだろう。何時かは分からないが、イメチェンした小沢氏の再登場があるように感じる。意図しなくとも報道が大きな役割を果たすだろう。

ネット世論いまだ浮上せずとも期待

一方、ネット世論は圧倒的小沢氏支持とことさらに取り上げる専門家がいたが、私はネット世論は国民世論を反映しておらず、狭い世界での未熟で影響力のないものと予測し、その通りとなった。私の目には数年前と少しも変わってないように感じた。ネット世論のレベルアップの一助と思って記事を投稿し続けてきた私には残念なことだが、これも今回改めて思い知らされた。

冒頭に私は世論を反映する民主党代表選は首相を選ぶプロセスとして合格と言ったが、一方で、世論ばかり気にしたポピュリズム政治になるという批判が聞こえてくる。それが首相をコロコロ変えることになると。今回は検察情報を報じてネガティブキャンペーンを続けた主流メディアが、反小沢の世論を誘導し小沢氏の代表を阻んだと。

だが、それは本末転倒の危険な考えだ。世論を反映した政治は民主主義プロセスの基本であり、政治はそれを超えて世論を説得し導くのがあるべき姿である。その為にメディアは国民に判断材料を提供する重要な役割がある訳だし、ネット世論が主流メディアに対抗できる発信源になると期待したい。■

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