2日(土)は、埼玉県川口市にある「大野・植山教室」に行った。
家を出るのが遅かったので、教室のドアを開けたのは午後1時52分だった。洋間では大野八一雄七段が多面指しをしていた。対局者はSato氏、Watanabe氏、Taga氏らだが、満席ではない。
奥の和室では植山悦行七段が二面指しをしていた。今日は土曜日だが、若干生徒が少ないようだ。
手合い係のFuj氏の指示で、まずは植山七段に教えていただく。
右ではOk氏が飛車落ちで教わっていて、少し経って終わった。中盤までいい勝負だったが、Ok氏が▲4七角と据えたのがさえない手で、ここから下手が苦しくなったようである。
植山七段の講義は論理的で分かりやすい。実戦よりもこちらのほうがためになるくらいだ。
Ok氏は今まで通り将棋を友にするようである。ここで私のほうも対局準備となる。
「(この前の社団戦で、)横歩取りで桂不成喰らったんだって?」
と植山七段。ちっ、Fuj氏がバラしたのだろう。「時々出る手だけどねぇ…」
対局前から強烈なジャブを喰らい、平手戦で対局開始。
▲7六歩△8四歩。ここで▲6八銀は矢倉になるが、そうすると植山七段は急戦でくる。そうなっては面倒なので、角換わりでいくことにした。
植山七段は居玉のまま△5二金。さらに△9五歩と突き越した。これは右玉の匂いがする。果たして数手後に、植山七段は△6二玉。受けが強い植山七段らしい作戦である。
私は▲4六角と据え、▲3五歩から一歩を手にした。
第1図以下の指し手。△4四歩▲同歩△同銀▲2四歩△同歩▲同飛△4三歩▲2八飛△5一飛▲2三歩△5五歩▲6七銀△2五歩▲同飛△3六角▲2八飛△4七角成▲2四角(第2図)
誰かきた。「おお珍しい!」とFuj氏が叫ぶ。それはKaz氏だった。Kaz氏は年中仕事をしているイメージがあるのだが、休みが取れたのだろうか。
Kaz氏は植山七段との指導対局になった。
△4四歩▲同歩△同銀には、私も▲2四歩△同歩▲同飛とする。△4一飛は▲4二歩があるので、植山七段は△4三歩。植山七段は、自陣に容易に歩を打たないので、ここはポイントを挙げたと思った。
しかし▲2八飛には、さすがに△2三歩と打たない。△5一飛と転戦してきた。
私は▲2三歩。植山七段が「お」と言ったが、あるいは▲2二歩を予想していたのかもしれない。
植山七段は△2五歩の手筋から、角取りに馬を作る。私は手順に▲2四角と出て、飛車取り。
第2図以下の指し手。△5四飛▲4八歩△3六馬▲2二歩成△同金▲4二角成△2六歩▲3八飛△3七歩▲同飛△同馬▲同桂(第3図)
△5四飛で△5二飛と一つ浮くのは、▲2二歩成△同金▲5一角成△同飛▲2二飛成の大技がある。
しかし次の▲4八歩は誤った。△4七馬の存在が目障りで応手を聞いたのだが、一歩を使って飛車の横利きをなくした上、△3六馬が絶好の位置になってしまったのだ。
▲4八歩では予定通り▲2二歩成だった。これに△同金は▲4二角成。△3三金は▲同角成△同桂▲2三飛成。どちらも明快に下手がよかった。
本譜はやや紛れたが、上手に2歩を使わせ、好所の馬も消えたので、よしとしようか。
第3図以下の指し手。△3九飛▲8八玉△3七飛成▲4三馬△3一竜(途中図)
▲7五歩△同歩▲7四歩△3三金▲5四馬△同銀▲7三歩成△同玉▲7四歩△同玉(第4図)
△3七飛成に▲4三馬。△5一飛は▲4四馬があるので、下手は飛車の入手が確定した。
次に▲5四馬~▲5一飛があるので、上手はそれを防がねばならない。「これじゃあFujさんだな…」とつぶやき、植山七段は△3一竜(途中図)と引いた。専守防衛である。
ここで▲7五歩と突いた。右玉には急所の筋だ。△同歩に▲7四歩が痛打で、△同銀は5四の飛車がタダ。植山七段は△3三金と活用するが、私は飛車を取り、桂を取り返した。
△7三同玉に「▲7四歩…」と観戦していたFuj氏がつぶやく。私もそれにならったが、△7四同玉に次の手がまったく分からなかった。
(つづく)
家を出るのが遅かったので、教室のドアを開けたのは午後1時52分だった。洋間では大野八一雄七段が多面指しをしていた。対局者はSato氏、Watanabe氏、Taga氏らだが、満席ではない。
奥の和室では植山悦行七段が二面指しをしていた。今日は土曜日だが、若干生徒が少ないようだ。
手合い係のFuj氏の指示で、まずは植山七段に教えていただく。
右ではOk氏が飛車落ちで教わっていて、少し経って終わった。中盤までいい勝負だったが、Ok氏が▲4七角と据えたのがさえない手で、ここから下手が苦しくなったようである。
植山七段の講義は論理的で分かりやすい。実戦よりもこちらのほうがためになるくらいだ。
Ok氏は今まで通り将棋を友にするようである。ここで私のほうも対局準備となる。
「(この前の社団戦で、)横歩取りで桂不成喰らったんだって?」
と植山七段。ちっ、Fuj氏がバラしたのだろう。「時々出る手だけどねぇ…」
対局前から強烈なジャブを喰らい、平手戦で対局開始。
▲7六歩△8四歩。ここで▲6八銀は矢倉になるが、そうすると植山七段は急戦でくる。そうなっては面倒なので、角換わりでいくことにした。
植山七段は居玉のまま△5二金。さらに△9五歩と突き越した。これは右玉の匂いがする。果たして数手後に、植山七段は△6二玉。受けが強い植山七段らしい作戦である。
私は▲4六角と据え、▲3五歩から一歩を手にした。
第1図以下の指し手。△4四歩▲同歩△同銀▲2四歩△同歩▲同飛△4三歩▲2八飛△5一飛▲2三歩△5五歩▲6七銀△2五歩▲同飛△3六角▲2八飛△4七角成▲2四角(第2図)
誰かきた。「おお珍しい!」とFuj氏が叫ぶ。それはKaz氏だった。Kaz氏は年中仕事をしているイメージがあるのだが、休みが取れたのだろうか。
Kaz氏は植山七段との指導対局になった。
△4四歩▲同歩△同銀には、私も▲2四歩△同歩▲同飛とする。△4一飛は▲4二歩があるので、植山七段は△4三歩。植山七段は、自陣に容易に歩を打たないので、ここはポイントを挙げたと思った。
しかし▲2八飛には、さすがに△2三歩と打たない。△5一飛と転戦してきた。
私は▲2三歩。植山七段が「お」と言ったが、あるいは▲2二歩を予想していたのかもしれない。
植山七段は△2五歩の手筋から、角取りに馬を作る。私は手順に▲2四角と出て、飛車取り。
第2図以下の指し手。△5四飛▲4八歩△3六馬▲2二歩成△同金▲4二角成△2六歩▲3八飛△3七歩▲同飛△同馬▲同桂(第3図)
△5四飛で△5二飛と一つ浮くのは、▲2二歩成△同金▲5一角成△同飛▲2二飛成の大技がある。
しかし次の▲4八歩は誤った。△4七馬の存在が目障りで応手を聞いたのだが、一歩を使って飛車の横利きをなくした上、△3六馬が絶好の位置になってしまったのだ。
▲4八歩では予定通り▲2二歩成だった。これに△同金は▲4二角成。△3三金は▲同角成△同桂▲2三飛成。どちらも明快に下手がよかった。
本譜はやや紛れたが、上手に2歩を使わせ、好所の馬も消えたので、よしとしようか。
第3図以下の指し手。△3九飛▲8八玉△3七飛成▲4三馬△3一竜(途中図)
▲7五歩△同歩▲7四歩△3三金▲5四馬△同銀▲7三歩成△同玉▲7四歩△同玉(第4図)
△3七飛成に▲4三馬。△5一飛は▲4四馬があるので、下手は飛車の入手が確定した。
次に▲5四馬~▲5一飛があるので、上手はそれを防がねばならない。「これじゃあFujさんだな…」とつぶやき、植山七段は△3一竜(途中図)と引いた。専守防衛である。
ここで▲7五歩と突いた。右玉には急所の筋だ。△同歩に▲7四歩が痛打で、△同銀は5四の飛車がタダ。植山七段は△3三金と活用するが、私は飛車を取り、桂を取り返した。
△7三同玉に「▲7四歩…」と観戦していたFuj氏がつぶやく。私もそれにならったが、△7四同玉に次の手がまったく分からなかった。
(つづく)