一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

6月2日の4時から男(後編)

2018-07-18 00:16:21 | 新・大野教室
6局目はOg氏に教えていただく。▲7六歩△8四歩▲6八飛△6二銀と進行し、いつもとは逆の戦型になった。Og氏は角道を突かず。左美濃に組む。
以下、Og氏に攻め潰され、早々に負けた。
(Og氏の指摘により、改稿しています)

これでもう上がってもいいのだが、Kaz氏が私と指すべく待っている。それで、初手から30秒で指すことにした。
Kaz氏とは私の勝率が3割くらいだが、私が勝ちの局面で投了したり、終盤まで勝ちの将棋をひっくり返されたりしたケースも少なからずあるので、まるっきり苦手というわけではない。それに最近ポツポツ勝てるようになったので、勝率も4割くらいになっているかもしれない。いずれにしても難敵である。
将棋は私の居飛車に、Kaz氏のゴキゲン中飛車。いまや予想された戦型である。私はあまり気が進まなかったのだが、早期決着を目指すべく、星野流超速▲3七銀を採った。
Kaz氏は髪を短くして精悍だ。だがこんなに白髪が多かったかと思う。もっとも私も人のことは言えず、ハゲと白髪の二重苦だ。
局面、Kaz氏の左銀は不動。ゴキゲン中飛車は角頭を守らない不遜なところがあるのだが、私が右銀を4六に出動すると、さすがに△4二銀と上がった。私は▲5五歩。

第1図以下の指し手。△4四歩▲3五歩△4三銀▲3四歩△同銀▲5八飛△6四歩▲5四歩(第2図)

△4四歩に▲3五歩はこんなものであろう。
私は2筋からの攻略は無理と見て、▲5八飛と回った。△6四歩には、やや伸び過ぎの感もあったが、▲5四歩。とにかく30秒将棋なので、勢いを重視した。

第2図以下の指し手。△4五歩▲5五銀右△6三銀▲7五銀△4三銀▲6四銀左△同銀▲同銀△5四飛(第3図)

△4五歩はこう突いてくると思った。私は▲5五銀右とし、この銀が威張っている。以下ごちゃごちゃと駒の交換があったが、これは後手の駒を捌かせてしまい、形勢は難しいと思った。

第3図以下の指し手。▲3三角成△同桂▲5四飛△同銀▲5五歩△4三銀▲4一飛△5一歩▲6五角△5二銀打▲1一飛成△4六歩(第4図)

第3図の△5四飛では、先に△8八角成と換えられるほうがイヤだった。もっとも振り飛車側としては、手順に△3三同桂と跳ねたいところだろう。
▲4一飛には△5二銀を予想していたが、△5一歩。それならこちらもすぐに香は取らない。▲6五角と打った。「そっかー」とKaz氏。Kaz氏も対局中にボヤくが、3割ほど本音でない時があり、これはどちらの意味か分からなかった。

第4図以下の指し手。▲8六香△7四角▲7七桂△6三歩▲7三銀成△同玉▲8五桂△6二玉▲7四角△4七歩成▲同角△7七歩▲8八玉△2七飛▲8三角成△2八飛成(第5図)

△4六歩は無視して▲8六香。30秒将棋だから、勢い重視である。
これにもKaz氏は唸ったが、受け方はいくらでもある。△7四角では普通に△7二金と考えていた。しかし△7四角も最強の受けで、私は▲7七桂と跳んだが、突っ張りすぎた。
対してKaz氏は△6三歩だが、何かほかの手はなかったか。
私の▲7三銀成が強手だった。「そっかー」とまたKaz氏が唸る。△同玉の一手に、▲8五桂。ここ、たんに▲7四角△同玉▲8二角は、△6四角と受けられて難しいと思った。
ただ本譜も、やや後手玉を逃している。

第5図以下の指し手。▲4八歩△3八歩▲同馬△同竜▲同金△4五桂▲3三歩△4二金▲8四角△5三玉▲5四銀△同銀▲同歩△4三玉▲6六角△4四銀▲2二竜△5五銀打▲同角△同銀(第6図)

△2八飛成の詰めろに、▲4八歩が千金の合駒。△3八歩には▲同馬として、飛車を入手した。馬もでかいが飛車もでかい。
△4五桂では△5九角▲7七玉△7九銀がイヤだったが、▲6九銀で凌いでいるか。とにかく30秒将棋なので、イヤな手が飛んできたら対処に困っていた。
とはいえ本譜の進行もKaz氏に頑強に抵抗され、気が付けば中央に厚みを作られている。私が優位に進めていたと思いきや、そうでもない。私は気を引き締めた。

第6図以下の指し手。▲3二歩成△同金▲3四銀△4四玉▲4五銀△同玉▲3二竜△5九角(第7図)

▲3二歩成から▲3四銀が送りの手筋。△3四同玉では▲3二竜で早くなってしまうので、Kaz氏は△4四玉だが、私は手順に4五の桂馬を外せた。
△5九角はキャンセル待ちの手。こういう時、私はいつも間違えるのだが……。

第7図以下の指し手。▲3五飛△5四玉▲5五飛△同玉▲5六歩△5四玉▲5五銀△5三玉▲6五桂(投了図)
まで、一公の勝ち。

指運よく▲3五飛と打った。△5四玉にはよく分からないが、行っちゃえ! と▲5五飛と切った。これ、社団戦では絶対に指せないだろう。
△5五同玉に▲5六歩と打って、何となく詰みそうである。
そして▲6五桂に、Kaz氏が投了した。

「つまらない将棋にしてしまったか」
とKaz氏がボヤく。
「大沢さんはのびのび指してましたネ」
とOg氏。
「あー、(大沢さんと)指さなきゃよかった」
「それ、この前も大沢さんが同じ事を言っていましたよ」
確かに私は言ったが、それはその日ほぼ全敗で、「教室に来る意味がなかった」と嘆いたもの。Kaz氏の場合、勝ちを計算していた人に負けたから、あぁ指すんじゃなかったという悔恨で、やや意味合いが異なる。
これで今日の教室はお開き。7局指して4勝3敗はまずまずであろう。数人でいつものカレー屋に行った。
道中、Og氏に
「Kazさんとの将棋、▲8五桂で▲7四角△同玉▲8二角(参考図)はなかった?」
と聞かれた。

「それは△6四角と合わせられて…」
「そうか、ちゃんと読んでたんだね」
しかし後から考えると、△6四角には▲6五銀で詰んでいた。よって△6四角では△6四歩でどうか。
いずれにしても、▲8五桂では▲7四角がベターだったかもしれない。
8人ほどで食事。Shin氏らから改めて社団戦への参加を要望されたが、何となく断った。でも、こういう私の煮え切らない態度はよくないと思う。周りに迷惑を掛けると思う。
コメント (2)
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