中学高校時代には歴史で「三世一身法」だとか「口分田」だとか「墾田永年私財法」
なんとも難しい言葉を書き連ねて、それを見ただけで歴史が嫌いな生徒がどっさり
歴史を覚えるのでは無く、言葉を覚えるという矛盾した教え方、これじゃ国語の読み書きだ
なぜもっとわかりやすい言葉で、教科書に頼らず先生は教えてくれなかったんだろうか?と
今、この歳になってようやく思うようになった
去年暮れに奈良を一人旅して、平城京の跡地と再建施設を見てきて感動したけれど
実際のなら時代は、平和であったけれど朝廷と貴族、そして派生した一族だけが富を独占して
数多の農民を奴卑の如く働かせて搾取していた時代
平安時代もまたしかり、華やかな時代の陰に多くの貧しい暮らしがあって、枕草子も源氏物語も
その貧しき者等の上で、書かれた物語なのだ
結局、日本史とは何かと言えば田畑を主とした土地争いの歴史なのだ
民主化の進んだ今では、土地では無く有権者の票を奪い合う形に変わったけれど、数十年前までは
やはり農民の票が圧倒的に物を言う時代だった
神話時代、飛鳥時代、天平時代など古代は圧縮された日本の原風景で、まさに日本史のビッグバン前夜だった
ここでは天皇と朝廷が権力の全てであったが国の形は定まらず、地位を巡る権力が争点だった
はじめて絶対的な王者が決まって、ようやく恩賞としての土地、天皇に繋がる貴族や一族郎党の食い扶持
として田畑が与えられた
それより遥かに多い(大多数が農民)にも小さな食い扶持の土地が与えられたが、もともと大きな田畑をもつ
貴族は自ら耕すことなどしない、できない、だから農民の土地を取り上げて、あぶれた農民に貴族の土地を
安い労働で耕させるす形に持って行ったのである
やがて貴族に開墾すればしただけ土地を与えるという法律を作ったので、我も我もと貴族たちは農民の
持ち物までも奪って開墾競争に明け暮れた、しかし無法であってはならないから一応、土地の管理者を
国毎、郡毎に任命したわけだが、都から自ら下向していく貴族もあれば、その土地の有力者に管理を
任せる貴族もいた
それらは都から離れた土地で権力を振るって、私田を不当に増やしていった
時代と共にそれらは荘園と呼ばれ、