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「甲越軍記」を現代仕様で書いてみた(242) 甲越 川中島血戦 69

2024年11月05日 07時17分04秒 | 甲越軍記
 武田、上杉両軍入り乱れて矢は叫び、鉄砲の音は雷鳴よりすさまじく、打ちあう太刀の光は稲妻の如し
両軍の勇士、右に当たり、左に支え鎬を削って戦えば、保科弾正も力尽きて大勢にとりこめられれば、すでに危うく見えた

武田方からは保科を救えと、海野常陸、望月石見、矢代安芸、須田相模、井上伯耆、根津山城、仁科上総介など馳せ出れば
左より飫冨兵部少輔、馬場民部少輔、飯島、駒澤、小幡因幡、河野丹後一斉に鬨をあげて横槍を入れて、無二無三に攻め立てる
武田勢は新手、これに疲れた越後勢は乱れて討たれる者、数知れず
武田方は、ますます勢い増して上杉の本陣めがけて突撃を行う

越後方の本庄美濃、平賀、唐崎、二陣の斎藤下野、柿崎和泉、北条安芸は武田勢に真っ向からせめぎ合う
互角の戦はますます激しさを増して火花を散らして、鎬を削る

謙信は紺地に日の丸、白地に毘の字の旗を押し立てて、原の町に備えを立てて、指揮をすれば
信玄は日の丸に武田菱の旗、孫子の旗を押し立てて床几にかかって、戦いの様を目も離さずに見ているところに、山本勘助入道、わずか五騎六騎を率いて本陣に駆けつけ軍議をおこなう

勘助が本陣を去り、士卒らを集めて指揮し、大縄を犀川に幾筋も張らせて
旗本勢数百に謀略を授ける
旗本は旗を伏せて、縄を手繰って向こう岸に渡り、葦が繁る中の細道から謙信の本陣の後ろに回る
信玄は武田左馬介、飫冨三郎兵衛、秋山伯耆、横田駿河を真っ先にして、犀川を押し出す
川を渡ると一斉に鬨をあげて謙信の本陣へ突きかかる
越後勢も、これに負けず、旗本勢が矛先を揃えて挑めば、脇備えの、斉藤、柿崎、北条、毛利、大関は旗本を救わんと向かう
甲州勢は長坂、秋山、横田、坂西の勢、鬨をあげてこれを拒む
その間に武田勢は烈風の如く、謙信の本陣に突きかけてわめき叫んで討ち入れば、さしもの謙信の旗本も崩れ発ち、辟易するところにさらに後ろから大回りした信玄の旗本勢が鉄砲を撃ちかけ、えいえいと声を張り上げてかかれば
信玄もこれを見て馬を回し「ものども一気に謙信の本陣を押しつぶせ、勇めや勇め」と下知すれば、武田に名をはせた勇士らは、ここぞと力を得て散々に戦えば、さしもの謙信も守勢となってさっと引く。


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