アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。

カミさんが1年ほど前に山手線に乗っていたときの話です。
どこかの本に書こうと思っていましたが、書かずにいたので、ここに掲載します。

英米人と思われる夫と日本人の妻が、妻の母親と一緒に4歳と2歳の男の子を連れて電車に乗り込んできました。

カミさんの隣に座っていた男性が降りるとともに、2歳の男の子が座りました。それでも、少しスペースがあります。弟の目配せに応じて4歳の兄が隣の席に座りました。座席はとても窮屈になりました。カミさんは、「どうぞ」と言って、席を立ちました。

すると、お父さんが4歳の子どもを立たせ、カミさんを席に戻すようにしました。そして、その子に「オールウェイズ・レイディーファースト」とだけ言ったのです。

お祖母ちゃんは、私のカミさん同様、オロオロしていましたが、両親は、子どもを立たせてからフォローするような言葉を投げかけませんでした。

4歳の兄は、しばらくしょげていたようでしたが、1分もしないうちに2歳の弟と会話を始めました。お祖母ちゃんが夫になにやら言ったことに対しては、「イッツ・イナフ(それで十分です)」と答えていました。

私は、この話を聞いたとき、親が日本人ならば、私の妻が立ったとき、「すみませんね」とでも言って、そのまま4歳の兄を座らせていたか、あるいは、4歳の兄を立たせたとしたら、「ごめんね」と言って、「この場合は・・・・なのよ」とか「えらかったね」のように言ってフォローする場面なのに、その両親は、言葉を少なめに、毅然とした態度で電車内のマナーを教えたことを確認しました。

アドラー心理学の子育ての本を読んでいると、“Talk less, act more”という英語の表現に出くわします。

「言葉を少なめに、毅然とした態度で行動しよう」と意訳したい部分です。

時には、“Talk less, act more”で子どもに教えなければならないときもあるのです。

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